フルサイズ対応の GMaster 単焦点レンズ FE 85mm F1.4 GM 「SEL85F14GM2」をソニーストアで触ってきたレビュー(その1)
GMasterレンズ初のレンズとして2016年に登場したから約8年、ついに念願の最新現代版のEマウント専用フルサイズ対応レンズが2024年9月20日(金)に発売。
解像とボケ味を高次元で両立しつつ、AF性能の大幅な進化と小型軽量化をはたして、全方位で85mm F1.4 のGMasterレンズは刷新されている。
さっそくソニーストア 直営店で実機を触ってきた。
・高い解像性能と美しいぼけ描写、AF性能の進化と小型軽量化を実現 Gマスター(TM)『FE 85mm F1.4 GM II』 発売 | ニュースリリース | ソニー
・デジタル一眼カメラα(アルファ) | ソニー
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目次
●FE 85mm F1.4 GM II「SEL85F14GM2」のサイズ感。
古くはミノルタ・コニカミノルタの時代から、一眼レフαシステムのレンズは特に”ぼけ”の描写力にこだわって設計されていた。
例:「MINOLTA AF 85mm F1.4(1987年)」、「MINOLTA AF 85mm F1.4 G(D) Limited(2002年)」
ソニーのAマウント(Planar T* 85mm F1.4 ZA 「SAL85F14Z」)に引き継がれ、ミラーレス専用設計となるEマウントレンズの最高峰とも言える解像と”ぼけ”を両立するGMasterレンズの最初の単焦点レンズとして
が誕生。伝統を引き継いだ”85mm F1.4”はとても重要なレンズと言える。
は、確かにその描写性能はとても良かったものの、AFスピードの遅さやAF駆動時の音が気になるといった課題をかかえていた。
他にも、パープルフリンジが発生しやすい事もあったり、サイズが大きく重いといった、最新のαシリーズのレンズと比べると気になるところが多いのも事実。
さすがに8年もの年月は、レンズの進化も凄まじく、ようやく待望とも言える が出てきた。 の2世代目となる
実物の と を比較。
デカイ重いと言われていた85mm F1.4 大口径レンズ から一転、 は全長約107.3mm、最大径Φ84.7mmというサイズと、質量約642gという重さに抑えられている。
焦点距離イメージ:85 mm / 127.5 mm(APS-Cサイズ時)
フィルター径:φ77mm
開放絞り : F1.4
レンズ構成 : 11群14枚
絞り羽根 : 11枚
大きさ: 最大径φ84.7 mm、全長107.3 mm 質量:約642g
FE 85mm F1.4 GM「SEL85F14GM」
焦点距離イメージ:85 mm / 127.5 mm(APS-Cサイズ時)
フィルター径:φ77mm
開放絞り : F1.4
レンズ構成 : 8群11枚
絞り羽根 : 11枚
大きさ: 最大径φ89.5 mm、全長107.5 mm 質量:約820g
『 』と比べると、フィルター径77mmは変わらないままで最大径(直径)は約4.8mmも小さくなったことで体積としてみると約13%も減っている。
重さはなんと約178gも軽くなって約20%軽量化。
『G Masterレンズのヘビー級レンズの代表のような重量感と大きさだったではあったけれど、持った時の所有欲の満たされっぷりは確かにあった。 』は
ただどうしても実用とすると、カメラバッグに入れるにしても嵩張るし重いとどうしても苦痛になりがち。
その反動もあって は軽く感じるし、大人の男性の手であれば片手で余裕で持てるサイズ感になった。
レンズフードは、丸形バヨネット式。
レンズフードにはロックスイッチが付属。
装着するとカチっと音を立ててロックされ、不意にあたって外れてしまうのを防ぐタイプ。
最大径(直径)が小さくなったことでの恩恵として、鏡筒の根本付近、マウント接合部分が細くなったことで、カメラのグリップとの間隔が広くなった。
おかげでグリップした時の余裕ができて、グリップを覆うタイプのケースを付けても干渉しにくくなった。
α7RVと SEL85F14GM2 の組み合わせ。
鏡筒が一回り小さくなって、根元の傾斜も緩やかになったから内側のグリップは余裕が増えたかなw pic.twitter.com/Fad0ktsH8U— 君国泰将 (@kunkoku) September 2, 2024
他にも、α9IIIのようにマウントの根本にあるカスタムボタンを押す際にもかなりギチギチだったので、指の移動に余裕ができて使いやすくなった。
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●ソニー純正フルサイズ 85mm単焦点レンズを比較。
ソニーのEマウントフルサイズの85mm単焦点レンズは、G Masterレンズ以外にも無印のレンズ1本あわせて合計で3本。
左から順番にFE 85mm F1.8 「SEL85F18」、 、FE 85mm F1.4 GM「SEL85F14GM」。
FE 85mm F1.8 「SEL85F18」
サイズ : 78 x 82 mm
重量 : 371 g
フィルター径 : 67mm
サイズ : 84.7 x 107.3 mm
重量 : 642 g
フィルター径 : 77mm
FE 85mm F1.4 GM「SEL85F14GM」
サイズ : 89.5 x 107.5 mm
重量 : 820 g
フィルター径 : 77mm
85mmのレンズとして無印の「SEL85F18」は、最もリーズナブルで軽量コンパクトでありながら写りも良いと定評がある。
とは言え、F1.4の大口径レンズで、すべてを刷新してきたG Masterレンズともなると はとても魅力的。
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● のハード周りをチェックする。
カメラ本体のメニューからカスタマイズして、好みの機能を割り当てて使うことができる「フォーカスホールドボタン」は、レンズの左横と真上に2つ。
レンズ手を添えた延長上として左手で操作できるボタンになるだけに、縦位置にかまえたときでも押しやすくて使い勝手がとても良い。
「絞りリング」は、右手でグリップしながら、レンズにそえた左手でF値を意のままに操れる。
また、「アイリスロックスイッチ」を備えていて、[A]もしくはF2.8~F22の間で固定して、撮影中に不用意に絞り値がかわらないようにロックすることもできる。
「絞りリング」は、F値を変化させたときにカチカチと触感として配分がわかるので、目視せず撮影により集中できる。
クリックはオンオフ可能で、動画撮影時にクリック音が邪魔になるようであればOFFにしてシームレスに可変もできる。
フォーカスリングにはリニア・レスポンスMFを採用して、リング回転角度にリニアなフォーカス移動する機構になっていて、微妙なニュアンスをダイレクトに反映してくれるおかげで、精緻なピント合わせができる。
フィルター径は77mm。
ボタンやリングまわりはしっかり密閉されていてアウトドアでも気軽に撮影が楽しめる防塵・防滴に配慮した設計。
レンズ最前面にはフッ素コーティングも施されていて、汚れ成分の付着を防止してくれる。
そして最先端のレンズコーティング技術である「ナノARコーティング II」が施されているというのも最新のG Masterレンズならでは。
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●明らかに高速にかつ静かになったオートフォーカス
2016年当時としては、最新だったリングドライブSSMも、従来から引き継がれた機構。
回転式のアクチュエーターなので、一眼レフ時代のレンズと同じ構造で、そもそも今となってはボディ性能に全く追いつかなくなってしまった。
しかも、ウォブリングができないのでAFがスムーズではないため動画にも不向き。
さらにはAFが駆動したときの振動もあれば、駆動音はかなり耳障りだった。
後に出てくるGMasterレンズは、XDリニアモーターを搭載して、巨大で重いフォーカスレンズ群を高速に駆動することができるため、圧倒的にスムーズかつ静粛なフォーカシングができるため、 はかなり古い印象を引きずってしまっていた。
カメラ : α7R V レンズ : 焦点距離:85mm 絞り値:F1.4 |
そこにようやく最新のには、2基の高推力なXDリニアモーターを搭載。
推力効率が大幅に向上してAF速度が『』比で最大約3倍高速化。
さらに動体に対する追随性は最大約7倍。
α9 IIIとの組み合わせた場合にも最高約120コマ/秒のAF/AE追随高速連写に対応できる。
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例えば、同じボディ(α7RV)にレンズを装着して、店内をくるくると回る飛行機を狙って撮影してみた。
はほんの一瞬のフォーカスの遅れがそのまま撮影に影響してくる。 では、より早くフォーカスをあわせてシャッターを切れるのに対して、
実際に、高速な被写体はもちろんだけれど、ポートレート撮影や小さな子供を撮る時も同様で、撮りたい表情が今!という瞬間を捉えられるかにかかってくる。
オートフォーカスが高速化した事を肌で感じられるほどなので、この進化は相当大きい。
カメラ : α7R V レンズ : 焦点距離:85mm 絞り値:F1.4 |
外で撮影テストをしていたときに上空を通過する飛行機を見つけたときも、とっさにカメラを向けてももたつくことなくスッとフォーカスがあってストレスなくシャッターが切れる。
で気になっていたけど気にしないと決めていたフォーカス時の振動も皆無で作動音もほぼないに等しい。
そうかこんなに違うのかと。これなら動画撮影にも余裕で使える。
ちなみに、これは画像の一部を切り取って拡大したもの。
そもそも85mmという焦点距離は中望遠レンズなので、あまりこうした航空機撮影には向かないので使うことは滅多にない。
けれどここで感じたのはα7R Vの超高解像度のおかげもあるけれど、拡大してもこれだけのディティールがはっきりしていることと、右手あたりに太陽があってかなり逆光気味に光を浴びていたにもかかわらず色にじみがものすごく少ない事。
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は、レンズの写りより以前に外観も中身も進化したところが多すぎる。
大口径レンズを感じさせないサイズ感と軽さ、そして超高速AF。
次回、 の解像性能やボケ味などの画質を知るため、 と合わせて比較テストをしてみた。
・フルサイズ対応の GMaster 単焦点レンズ FE 85mm F1.4 GM 「SEL85F14GM2」をソニーストアで触ってきたレビュー(その2)
へ続く。
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<実機レビュー>
キリっとした解像感とふんわりとろけるボケの柔らかさがキモチイイ! FE 85mm F1.4 GM『SEL85F14GM』と格闘しながら1ヶ月ちょっと使い続けてみた。
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