フルサイズ対応の GMaster 単焦点レンズ FE 85mm F1.4 GM 「SEL85F14GM2」をソニーストアで触ってきたレビュー(その2)
フルサイズ対応の GMaster 単焦点レンズ FE 85mm F1.4 GM 「SEL85F14GM2」をソニーストアで触ってきたレビュー(その1)
の続き。
は、 と比べて小さく軽くなったうえにAF性能も上がっているけれどそれだけにとどまらない。
焦点距離85mm F1.4という条件は同じGMasterレンズでありながら画質も大きく凌駕していた。
それがどれほどのものか、短時間ながらもながらもソニーストア福岡天神の店内と外で撮影することができたので、 と を比較してみる。
・高い解像性能と美しいぼけ描写、AF性能の進化と小型軽量化を実現 Gマスター(TM)『FE 85mm F1.4 GM II』 発売 | ニュースリリース | ソニー
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目次
●FE 85mm F1.4 GM II「SEL85F14GM2」と「SEL85F14GM」のレンズ構成。
レンズ構成 : 11群14枚
・超高度非球面XA(extreme aspherical)レンズ x 2枚
・ED(特殊低分散)ガラス x 2枚
FE 85mm F1.4 GM「SEL85F14GM」
レンズ構成 : 8群11枚
・超高度非球面XA(extreme aspherical)レンズ x 1枚
・ED(特殊低分散)ガラス x 3枚
公式のレンズ構成を見ると、光学設計を全面的に見直しただけあってレンズ構成も超高度非球面XA(extreme aspherical)レンズ2枚、ED(特殊低分散)ガラス2枚に変化している。
MTF曲線が大幅改善、高解像、ぼけ描写を両立
最新のレンズ設計・製造技術を投入し、色収差など諸収差を低減し、画面中心から周辺部分まで高い解像性能と、ナノARコーティング IIでゴーストやフレアを抑え、ヌケの良いクリアな画質を実現。
MTF曲線をみると明らかで、 と比べると一目瞭然、圧倒的に改善しているのがわかる。
MTF(モデュレーション・トランスファー・ファンクション)は、レンズのコントラスト再現性を示すレンズ性能評価方法のひとつ。
撮像面上で画像がどれだけ被写体を忠実に再現しているかを、周波数特性で表現している。
一般的には、100に近ければ近いほど優れたレンズと言える。
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●「SEL85F14GM」の弱点だった色付きを大幅に抑制した「SEL85F14GM2」
カメラ : α7R V レンズ : 焦点距離:85mm 絞り値 :F1.4 |
カメラ : α7R V レンズ : FE 85mm F1.4 GM「SEL85F14GM」 焦点距離:85mm 絞り値 :F1.4 |
α7R IVに接続して、ほぼ同じ構図になるようにして撮影。(三脚は使用していません。) と もに、
どちらも、絞り値:F1.4 露出補正:±0.0 ISO:100 ホワイトバランス:自動。
右の画像が、FE 85mm F1.4 GM「SEL85F14GM」
どちらもフォーカスした箇所の解像感は高く、大口径レンズならではの背後に大きなボケと、その遷移するにつれてなめらかな溶け込み具合はさすがGMasterレンズならでは。
ただし、背景の点光源を拡大してみると は光源の周囲がハッキリと色が付いてしまっているのがわかる。
発売当初から指摘されていたウィークポイントで、気になるといえばやはり気になる。
同様のシチュエーションで撮った画像を見ると、明らかに色づきは抑えられていて、非常に綺麗かつ癖のないフラットな点光源。 で
ここが大きく改善されているところ。
の絞り羽根は、G Masterレンズのほとんどのモデルに備わる11枚羽根の円形絞り。
枚数が多くなることで高い円形比率で、少し絞った場合でもその丸いカタチを保てるのが特徴。
その絞りの変化を参考までに撮影。
絞り値:F1.4 | 絞り値:F2.0 |
絞り値:F2.8 | 絞り値:F4 |
絞り値:F5.6 | 絞り値:F8 |
絞り値:F11 | 絞り値:F16 |
フォーカスは手前下にある造花にあわせて、開放F1.4から、F2.0/F2.8 / F4 / F5.6 / F8 / F11 / F16と絞ったさいの画像を並べてみた。
開放F1.4だと、周辺部には大口径レンズの宿命とも言うべきレモン型の点光源、いわゆる口径食が見てとれるものの、1段しぼることで口径食は解消されている。
徐々に絞っていくとやらわかな丸い玉ぼけを維持しつつ、F5.6からF8あたりから光芒が出てくる。
11枚羽(奇数)なので、周囲に向かってのびる光芒は22本。
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●FE 85mm F1.4 GM II「SEL85F14GM2」と「SEL85F14GM」の撮影画質の比較。
カメラ : α7R V レンズ : 焦点距離:85mm 絞り値 :F1.4 |
カメラ : α7R V レンズ : FE 85mm F1.4 GM「SEL85F14GM」 焦点距離:85mm 絞り値 :F1.4 |
ソニーストア福岡天神の出入り口から少し出たところから、道路を挟んだ目の前にある建物を撮影。 と の撮影比較として、
非常に天気の良い日で、太陽光が建物の看板を照りつけているシチュエーション。
開放絞りF1.4で、中央にフォーカスをあわせて撮影。
α7R Vの撮影元データは約6100万画素(9504x6336)ではあるけれど、便宜上縮小(2000x1333)したもの。(撮って出しJPEG)
※クリックすると別ウインドウで開きます。
全体像を見るとわかりにくいけれど、大きく拡大すると違いがはっきりとわかる。
FE 85mm F1.4 GM「SEL85F14GM」
画像の周辺部を4箇所トリミングしたものがこちら。
では、文字の輪郭を見るとわかるとおり、どうしても意図しない色付きが発生している。
これが結構気になってしまう。
また開放で撮影した場合、周辺の映像の画質がどうしても落ちがち。
焼き肉の看板を見ると、映像が流れてしまっていたりコントラストも落ちがち。
これってもしかしてブレているんじゃ?と思ってしまうかもしれないけれど、撮影時にはしっかりと両手で固定、しかもシャッタースピードは1/8000秒となっているため決して手ブレによるものではない。
FE 85mm F1.4 GM II「SEL85F14GM2」
小さな部分を大きく拡大しているためアラ探しのようになってしまっているけれど、 で撮影した映像を見るとその凄さを知ることになる。
であれほど気になった色付きが全くといっていいほど気にならず、とても鮮明かつ拔けの良さもあって看板のリアルさがありありと伝わってくる。
レンズ中心部が良好なのはもはや当たり前で、開放で撮ったにもかかわらず周辺部の画質が凄い。
焼き肉の看板のなんとおいしそうな事か。
解像しているのはもちろんコントラストもとても良好で、色にじみも感じられない。
同じGMasterレンズでここまで違うと驚きしかない。
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カメラ : α7R V レンズ : 焦点距離:85mm 絞り値 :F1.4 |
カメラ : α7R V レンズ : FE 85mm F1.4 GM「SEL85F14GM」 焦点距離:85mm 絞り値 :F1.4 |
次に、場所を変えてソニーストア福岡天神の裏手にある出入り口横にある木製の壁面を数メートル先からほぼ真っすぐに向き合って撮影。
建物の影にある場所ではあるものの周囲の明るさは十分にあるシチュエーション。
開放絞りF1.4で、中央にフォーカスをあわせて撮影。
α7R Vの撮影元データは約2420万画素(9504x6336)を便宜上縮小(2000x1333)したもの。(撮って出しJPEG)
※クリックすると別ウインドウで開きます。
左が 、右が で撮った画像。
FE 85mm F1.4 GM「SEL85F14GM」 |
こちらはシンプルに、解像感とコントラストの違いを見比べることができる。
もっとも高い解像感が得られるはずの中央部(1枚目)においても、の画像を見ると圧倒的に木のディティールがはっきりと出ている。
周辺部(2枚目、3枚目)を見比べると、欠けた木の状態や溝の奥の表現、木のフシからひろがる凹凸とコントラストに至るまで、違いがありありとわかる。
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●最新のコーティング技術「ナノARコーティング II」の逆光耐性
カメラ : α7R V レンズ : 焦点距離:85mm 絞り値 :F1.4 |
カメラ : α7R V レンズ : FE 85mm F1.4 GM「SEL85F14GM」 焦点距離:85mm 絞り値 :F1.4 |
こちらは屋外で、太陽光が葉のすきまから見え隠れする状態で撮影したもの。
にも「ナノARコーディング」が施されているので、フレアやゴーストは出にくくはなっている。
けれど、最新のレンズコーティング技術「ナノARコーティング II」を採用したは、何度か撮影を繰り返して試してみた限りでもフレアやゴーストの発生率がかなり抑えられていた。
逆光撮影でもしっかりとヌケの良い画質を保てると、木漏れ日のシーンや朝日や夕日の入り交じるような撮影でも遠慮なく表現の幅が広げることができる。
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●8年間のソニーのレンズ進化が凝縮されたGMasterレンズ「SEL85F14GM2」
2016年に が出てきた当初は、85mmF1.4という中望遠大口径レンズ、しかもGMasterレンズともなるとこのサイズと重量が必要なのだと思っていた。
ところこんなに
しかもAFの遅さやゴアーゴアーとAFが動くたびに異音ももうこういうものだと慣れていただけに、 は、AFが衝撃的な早さになって速い動態に対しての追従性も上がっていて、しかも駆動音が静かになるとまったく別カテゴリーのレンズではないかと錯覚してしまう。
いや、それでも は最も愛用していたレンズに違いなくて、撮った写真も数知れず。
レンズとしての特性は、言ってもG Masterレンズには変わりないと思っていたけれど、 で撮った写真を見ると、これほど変わるのかと。
中央部から周辺部にいたるまで、画質が明らかに良くなっていることが比較して明らかに露呈してしまった。
見てみぬふりをしていた色収差の改善っぷりは顕著だし、解像度も点光源やピント面からとろけていくようなボケ味もすこぶる美しい、新コーティングのヌケの良さも爽快。
レンズというものが8年という年月の間にここまで進化する伸びしろがあるのかと驚くしかない。
このレンズは再び名機と呼ばれるポテンシャルを持っているに違いなく、絶対に持っておきたい単焦点レンズがまた1つ増えてしまった。
●長期保証<3年ベーシック>付
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<実機レビュー>
キリっとした解像感とふんわりとろけるボケの柔らかさがキモチイイ! FE 85mm F1.4 GM『SEL85F14GM』と格闘しながら1ヶ月ちょっと使い続けてみた。
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