12月21日(水)をもって「VAIO Z」は販売終了に。後継モデルなどの予定はなく、VAIO Zシリーズの歴史はまた途絶えてしまう模様。
2022年発売モデルの「VAIO Z」について、2022年12月21日(水)10時に、ソニーストアでの販売を終了することを告知。
現時点で、後継モデルなどの発表はなく、Zシリーズはまたもや販売を終えることになる。
・個人向けPC価格改定に関するお知らせ | VAIO(パーソナルコンピューター) | ソニー
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目次
●ソニーストアでは、2022年12月21日(水)10時に販売終了
ソニーストアでは、プレスリリースなどはなく、VAIOのトップページや、製品ページに、販売終了についての表示がされている。
VAIO公式には、特に告知はないものの、販売終了同日2022年12月21日(水)9時29分までのキャンペーンを実施している。
ソニーストアと同じようにキャンペーン終了とともに販売が終了するのかもしれないし、在庫が残っていれば販売を継続するかもしれない。
2022年のVAIOノート最新モデルとして第12世代プロセッサーを搭載したVAIO SX14 / SX12 が出てきたことで、インテルHプロセッサーとはいえ第11世代プロセッサー 搭載のVAIO Z の性能差がなくなってしまったという現状。
それどころか、最新モデルは「Wi-Fi 6E」対応するにもかかわらず、VAIO Z はその対応からも漏れてしまった。
そうすると、VAIO Z の後継機種に期待したいところだけれど、以下のインタビューからあるようにその可能性は限りなく低い。
・【笠原一輝のユビキタス情報局】諸君らが愛してくれたVAIO Zに第12世代搭載製品はない、なぜだ? – PC Watch
あんなに切望して長いときを経てようやく復活したのにどうしてまたなくなってしまうのという喪失感が結構大きい。
またいつか出てくるかもしれないとしても、全身フルカーボンボディのような変態じみたノートPCにはそうそうお目にかかれない。
逆に考えれば、第12世代に匹敵する性能を持っていると考えれば今買っておいてもいいかもしれない。
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●2015年以来ようやく現れた「VAIO Z」は、期待に足るマシンだったのか?(過去記事再編集)
正直なところ、もう心踊るようなVAIOは出てこないのかもしれない、という諦めの気持ちになっていた。
VAIO㈱に移り、2015年に発売された「VAIO Z」や「VAIO Z Canvas」は意欲的なモデルだったものの後継機種は続かず。
法人向けにかじを切った路線のモデルは、法人である必要要件に当てはまらないといけないという枷があるために冒険できないことも理解していた。
2016年以降に発売されたどのモデルも最新規格をことどごくスルー、他社が積極的に採用する新プロセッサーをはじめ新しいデバイスの採用する中では徐々に乖離がみられ。
そこにようやく登場したのがフラッグシップモバイル「VAIO Z」。
ノートPCの筐体の構成する本体からディスプレイにおよぶ全ての面をカーボンファイバーを採用する、フルカーボンボディ。
中身については、Intel製第11世代 Core Hプロセッサー(TDP 35W)、第4世代ハイスピードSSD、高精細な4K [HDR / DCI-P3] ディスプレイ、次世代大容量高速通信5G、・Thunderbolt™ 4対応 USB Type-C™ を2基備えるという発売当時としては最新フルスペックのWindows PC。
VAIO㈱となって生産規模も小さくなってしまってからは、ソニー時代のように多様なモデルを出すことは難しこともわかってはいたけれど、業績が上向いているからこそ期待値の高いモデルを待望していただけにようやく溜飲が下がったというのが本音。
そもそもVAIOの中で、VAIO Zが今もなぜ待望されるかというと、その時その時のフラッグシップモバイルを体現していたから。
2008年に登場した「VAIO typeZ」はハイブリッドグラフィックスを搭載したし、2010年モデルのVAIO ZはクアッドSSDを搭載した、2011年モデルのVAIO Zは光ファイバー通信の外付けグラフィックスをやってのけたし、ソニーからVAIO㈱になってからも2015年モデルのVAIO Zは、Z Engineというハイパフォーマンスとタブレットを一体化するという進化と遂げてきた。
スタンダードなノートPCではなくて、現状を突き抜けるモデルだからこそ支持してきたし欲しくもなった。
何度も蒸し返すようだけれど、今から20年以上も前になる「VAIO 505」は当時採用されなかったマグネシウム合金を採用して軽量モバイルの革新を起こしたけれど、それもその時代の限界点がそこだった。
その後2003年には、ノートPCに世界で初めてカーボンファイバーを採用した「VAIO X505」が誕生。
それ以降、カーボンファイバーを採用したPCも増えてきたものの、軽量と剛性で突出する素材のカーボン素材の一番やっかいなのは成形技術。
カーボンファイバーはその素材の優位性はあっても、何しろ加工が難しすぎて利用できても板状の平面な部分のみ。
加工技術が進んだといっても、少し曲げることが精一杯。
あとはカーボンファイバーと強化プラスチックを混ぜ合わせるといった方法を組み合わせるなど。
ところが、「VAIO Z」では、本体の主要部分を覆う面構造をカーボンファイバーにしてしまった。
今までのVAIOのカーボンボディの歴史からしても、大きな加工は無理なんだと十数年信じてきたのに青天の霹靂。
F1マシンやレーシングカーはたしかにカーボンファイバーを使って車体をモノコックボディ構造にしているのは知ってはいたけれど、そもそも大きさが違いすぎる。
そんなはるかに小さいノートPCでやるってどういう事なのかと。
想像するに、平面部分だけカーボンにしてあとは別の素材を組み合わせるほうがはるかに量産しやすいだろうしコストも下がるだろうになんて余計な心配をしてしまうけれど、VAIO㈱やりきっちゃったなと。
公式サイトの開発秘話を読んでみると、「VAIO Z」のカーボンボディを作り上げるだけで、東レ(東京)、埼玉、静岡、大阪、長野という日本中のメーカーの力をあわせて出来上がっているというコスト度外視の製造方法だと知る。
<参照>
Vol.1 開発者が語る「立体成型フルカーボンボディ」
「VAIO Z」は、言わずと知れたWindows PCのスタンダードを進むモデル。
もう誰もが息をするようにスマホは当たり前に手元にあるし、ガッツリPCゲーマーは自作でゴリゴリのPCを組むだろうし、キータイプするノートPCというポジションも限られる世の中になってきたのも事実。
けれども屋内外を問わず移動できる手段を持っていて、その限定されたサイズの中で最も生産性の高いノートPCは、仕事でも遊びでも欲するところの最先端でもあった。
アルミ切削加工のカッコよさとは全く別の、全身をカーボンで包むフルカーボンボディというノートPC界のレーシングマシンがこの手にできる感動。
「VAIO Z」を初めて目にして手にとったときのストレートな感想は、こんなに薄くて軽いノートPCが本当にハイパフォーマンスなモデルなのか?という奇妙な感覚。
以前の2015年に登場した時の「VAIO Z(VJZ13A1)」は、性能がゆえにアルミとカーボンという組み合わせで、約1.34kgくらいの重量があるしガッシリしたイメージだった。
そういう意味では、「VAIO Z」は、全体をUDカーボンで覆って軽量化に「VAIO SX14」に近い。
それが全く異なっていて、この全身がフルカーボンファイバーになっていて、かつカーボンが立体的に曲面を描いているボディがなんとも艶めかしい。
アルミ筐体に慣れているとどこを触ってもヒンヤリとしない温かみとしっとりとした手触りは不思議な感覚。
それこそ今までのカーボンを採用したVAIOですら、ディスプレイ天板の平面な天面部分だけに一枚のカーボンファイバーを採用して、その他の周囲部分は樹脂素材で複雑な形状をまかなうというのが今までの構造だった。
「VAIO Z」のディスプレイ天板は、カーボンファイバー製の天面の行く先はそこでとどまらず、そのまま両サイドに向かってコの字状に折り曲げられ、両端のベゼル部分までを一体成型。
しかもベゼルの幅は極めて細く、ディスプレイの厚みも薄く、その線の頬さを保った液晶画面を強固に守る。
ヒンジ部分は、天面からなるカーボンがヒンジ部分までもV字型に折り曲げられて、一体化。
シンプルな構造になったことで、奥行方向に小さくなり、当然ながら全体的な軽量化にもつながっている。
底面はシンプルな板状ではなく立体構造のカーボンボディ。
底面の後ろ面の角を見るとわかるとおりカーボンファイバーでこんな曲面が作れるのかと。
いわゆる金属成形で言うところの絞り加工(板状に圧力をかけて立体的に加工)にちかいもので、絞るというよりは引っ張られたカーボン繊維が芯材に沿って内側に入っていくという作り方。
ということはイコール、本体内部に従来あった補強用のリブ(間仕切り)もそんなに必要なくなる。
リブ(間仕切り)が減るということは、内容物のスペースがしっかりと確保できることにもなるので、基板や放熱パーツのレイアウトもより自由度が増すというメリットもでてくる。
そしてパームレストまで純粋なカーボンファイバー化。
パームレストからキーボード面がカーボンファイバーの1枚板というだけではなくて、手前や左右側にも折り曲がった立体構造で非常に剛性が高い。
手のひらをパームレストにのせてもタワミなくキータイプしていても打鍵感も心地よい。
カーボンファイバー素材だから曲がらないわけはないのだけど、異常な曲がり方はしないので内部パーツに支障をきたすこともない。
人力でカーボンを一定異常曲げることすら不可能。ちゃんと、1kgの重量を支える強固さもある。
このあたりは昔からVAIO社独自の品質試験を数多く行っていることもあって、その堅牢性も信用にもつながっている。
今回、VAIO社では新しく「MIL規格(MIL-STD-810H)に準拠した試験を追加で導入。
「90cm6方向落下試験」、「76cm 20方向落下試験」、「鉄板上落下試験」、「150kgf加圧振動」、「液晶ハウジング加圧試験」、「ペン挟み試験」、「本体ひねり試験」、「角衝撃試験」、「キーボード水かけ試験」まで行っている。
「VAIO Z」のシグネチャーブラック&4K液晶ディスプレイをそなえるモデルを計量してみたところ、約1,017g。
フルHD液晶とブラックカラーであれば最軽量約958gと1kgを切る。
性能のためには多少の重量や厚みは致し方ないという概念を覆して、かつてのVAIOが高みを目指した”極限の薄さ”や”さらなる軽量化”を体現。
今まであったような区切りや凹凸が随分となくなり、カーボンの曲線で織りなされるフォルム。
「シグネーチャーブラック」のカーボンファイバーの繊維の目と、しっとりとした手触りがこれまた金属ボディとはいい意味で全く異なる。
所有欲をここまで高めてくれるノートPCは他に存在しない事も事実。
こよなく愛した「VAIO Z」の過去に書いたレビュー記事は以下においておきます。
フルカーボンボディとなったフラッグシップモバイル「VAIO Z」レビュー。
・(その1)カーボンの特性を最大限に引き出す理想の筐体、外観。
・(その2)刷新されたプロセッサー、ストレージの性能を知る。待望のThunderbolt 4、高速通信5Gを搭載。
・(その3)待望の広色域4Kディスプレイ、「隠し刻印キーボード」バックライトの視認性、ストレスフリーのセキュアな認証。
・(その4)どれほどのパフォーマンスを持ち合わせているのか?既存VAIOノートとベンチマークテスト比較してみた。
・(その5)Thunderbolt 接続で、拡張ボックス+外部グラフィックボードを合体、超パワーアップ!これこそ漢のロマン!
・全身カーボンファイバーのボディに包まれた「VAIO Z」がやってきた。ウキウキして開梱しただけ。
・全身カーボンファイバーボディに包まれた「VAIO Z」の中身の構造が気になったので早速バラしてみた。わかりやすく分解手順を解説。
・VAIO Zに 「LTE通信モジュール(5G)」を搭載して、快適モバイルネットワーク。「ahamo(docomo)」回線を利用して、モバイル通信するためのAPN設定や、便利なプロファイル設定のやり方。
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●ソニーストア販売終了対象VAIO(12月21日(水)10時~)
フラッグシップモバイル「VAIO Z」
フラッグシップモバイル「VAIO Z」
VJZ1421
[14.0型ワイド液晶] カラー:ブラック
ソニーストア販売価格: 247,920円(税込)~
■本体
VAIO Z 本体を41,280円(税込)値下げ
■プロセッサー+メモリー
Core i7-11390H(3.40GHz)+ メモリー32GB(オンボード)を24,000円(税込)値下げ
■LTE通信モジュール(5G搭載)
LTE通信モジュール(5G搭載)を24,500円(税込)値下げ
■ストレージ
第四世代ハイスピードSSD 2TBを30,220円(税込)値下げ
第四世代ハイスピードSSD 1TBを14,000円(税込)値下げ
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●ソニーストア 直営店舗(銀座・札幌・名古屋・大阪・福岡天神)
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ソニーショールーム / ソニーストア 銀座
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ソニーストア 大阪
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