「Xperia 1 VI」と「Xperia 1 V」の実機で徹底検証!フルHD+とアスペクト比19.5:9 ディスプレイのメリット・デメリットをきちんと把握しよう。
Xperia 1シリーズ最新モデルの「Xperia 1 VI」では、ディスプレイが4KからフルHD+へと変わったことで、どの程度解像感や明るさなど違いが出てくるか気になっている人も多いはず。
「Xperia 1 VI」のディスプレイの良いところもそうじゃないところも含めて、どういった特性を持っているのか?を解説してみる。
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目次
●Xperiaディスプレイ比較
ディスプレイスペック
まず、「Xperia 1 VI」と「Xperia 1 V」のディスプレイスペックの違いについて。
「Xperia 1 VI」
解像度:フルHD+(2340×1080ピクセル)
アスペクト比:19.5:9
サイズ:6.5インチ
リフレッシュレート:1-120Hz
明るさ:Xperia 1 V比で50%
「Xperia 1 V」
解像度:4K(3840×1644ピクセル)
アスペクト比:21:9
サイズ:6.5インチ
リフレッシュレート:60Hzまたは120Hz
すぐにわかる違いとしては、解像度とアスペクト比。
解像度は4K(3840×1644ピクセル)からフルHD+(2340×1080ピクセル)、アスペクト比は縦長の21:9から少し短くなり19.5:9に変わっている。
ディスプレイのインチ数(6.5インチ)は変化していないので、面積で考えれば「Xperia 1 VI」の方が大きくなっている。
解像度だけみて単純に退化したというわけではなく、ディスプレイの明るさが50%増しになっていたり、LTPOを搭載して1-120Hzまでの可変リフレッシュレートに対応することで大幅なバッテリー持続時間の改善されている。
このあたりトータルで考えるとプラス要素になっているものの、逆にマイナス要素もあることなので項目ごとにわけて分析してみる。
ディスプレイ解像度
まずはディスプレイの解像度について。(あくまでも解像度のみで他の要素については考えない。)
「Xperia 1 VI」
解像度:フルHD+(2340×1080ピクセル)
サイズ:6.5インチ
「Xperia 1 V」
解像度:4K(3840×1644ピクセル)
サイズ:6.5インチ
まず最初に言っておくと、実際にスマートフォンを利用するときに見る距離では、4KからフルHD+になったことでも解像度低下はほぼほぼわからない。
ただし、細部を至近距離から見ると、解像度の粗のようなものは確認できる。
これは、主要なXperiaのディスプレイのサブピクセルのサイズを比較したもの。
やはり従来のXperia1シリーズの解像度である4K(3840×1644)の方が、小さい文字をとってみても細やかな発光をしていることがわかる。
もちろん画面のレンダリング解像度とパネル解像度には差がある場合もあり、高解像度パネル=高画質とは限らない。
けれど文字の輪郭表現はパネル解像度が高い方がより滑らかに表現される。
注意点として、人間の肉眼ではそもそもサブピクセルをそこまではっきりと見ることは困難だということ。
普通にスマートフォンを使う距離では文字の滑らかさは気にならない。
ただ、パネルの特性と解像度によって気になるところもある。
Xperia 1 VIのホーム画面Chromeアイコン |
Xperia 1 Vのホーム画面Chromeアイコン |
上の画像は、「Xperia 1 VI」と「Xperia 1 V」のホーム画面にあるChromeアイコンをマクロ撮影した画像。
比べてみると、「Xperia 1 VI」のアイコンのほうが粗く見えることの他に、「赤」や「青」の部分の黒い隙間が気になるはず。
この黒い粗さのようなものは、至近距離で見れば肉眼でもわかる人もいるはず。
※「Xperia 1 VI」に限らず「Xperia 1 V」もマクロ撮影するとサブピクセルの粒子感は確認できる。
なぜ色の違いによって異なる隙間が生まれるのか?
隙間の原因はSamsung製ディスプレイパネルにみられるRGB(赤・緑・青)のサブピクセルの配列に関係する。
例えば白を表現するときにはRGBすべてを発光させるため、発光していないエリアはないので隙間を感じない。
一方でR(赤)、G(緑)、B(青)単色発光の場合、残りの2色のサブピクセルが発光していないため大きな隙間が生まれる。
これがサブピクセルの粒子を感じる原因。
さらに、サブピクセルの配列や数が色によって異なる点も大きな要素になる。
この画像は、「Xperia 1 VI」と「Xperia 1 V」のRGB(赤・緑・青)の色をマクロ撮影したもの。
画像を見ればわかるとおり、どちらも単色発光時にR(赤)、B(青)は比較的大きな隙間が生まれるけれど、G(緑)については小さい隙間しかできていない。
これはサブピクセルの配列の影響で、G(緑)のみピクセル数が倍配列されているため。
サムスン製によくあるペンタイル配列のダイヤモンドピクセルではこのような色による違いが生まれる。
この方式のディスプレイを採用しているとR(赤)、B(青)の表現が甘くなるのはパネルの構造上仕方のない話ということになる。
「Xperia 1 VI」と「Xperia 1 V」の解像度の違いで一番気になる可能性があるのはこの色表現部分。
ただしこれも、コンテンツの色というのは、RGB3原色だけでなく複数の色を大量に使って表現するため、他の色は2色または3色を組み合わせた発光になる。
そのためピクセルの粒子感というのは、ごく一部の時に感じるかもしれない程度。
普段は気にすることはないとしても知識として覚えていても良いかもしれない。
何度も言うように実際に使うときには気にならない人が大多数。
この粒子感を解消するには解像度の高いパネルを採用する事だけれど、採用できるパネルや他の様々な要素との兼ね合いを考えてソニーが今回ベターだと判断したのが6.5インチフルHD+(2340×1080ピクセル)という事になる。
ディスプレイアスペクト比とサイズ
次にディスプレイのアスペクト比とサイズについて。
「Xperia 1 VI」
アスペクト比:19.5:9
サイズ:6.5インチ
「Xperia 1 V」
アスペクト比:21:9
サイズ:6.5インチ
サイズは同じ6.5インチだけれど、アスペクト比の違いにより印象は大きく異なる。
「Xperia 1 VI」では、横に長く縦に短くなった。
今までのXperia 1 シリーズと比べるとたしかに大きくなったなと感じるし、大きい手の人だったら問題ないけど、小さい手の人には少し大変
(大きい人でも片手で利用しづらいと思う人もいるかもしれない。)
ただその分、画面の面積は大きくなっている。
画面が大きくなることのメリットは、コンテンツの表示が単純に拡大する点。
テレビアニメしかり、YouTubeでも主要コンテンツはほぼ16:9を占めていて、同じサイズの6.5インチで19.5:9というアスペクト比であれば、コンテンツを大きく映し出すことができる。
横長のシネマスコープサイズの映画であれば21:9のアスペクト比のほうが画面いっぱいに表示できるというメリットは確かにあるものの、何しろそのコンテンツが少なすぎて恩恵に預かれるときは少なかったのも事実。
ちなみに、かりに黒枠があっても、「Xperia 1 VI」と「Xperia 1 V」のどちらもスワイプして画面いっぱいに映し出すこともできる。(そのかわり一部は見切れてしまう。)
ゲームについては、21:9に最適化されたコンテンツ表示ができるとそれはアドバンテージなることもある。
例えば、「原神」や「コールオブデューティ」など、プレイするさいに横に広がるエリアをより多く表示できるため、より早く敵の動きに反応できる。
さらに言えば、画面内をタップしてコントロールする以上は指で画面が隠れがちになる場合にも、よこの広さで視認性も上がる。
ただし21:9は特殊なアスペクト比であることには変わりなく、19.5:9になったことでゲーム開発者側も柔軟に対応しやすいという事情もある。
このあたりは正直なところ好みによるところが大きい。
いずれにしても「Xperia 1 VI」のほうが、ほとんどのコンテンツの表示域の拡大・コンテンツ量が大きくなる事は理解できる。
横幅を変えず、縦方向だけ削って作ることは出来なかったのか?という話も出てくるので、参考までに。
単純に縦のサイズを削った場合、本体体積が減少することになる。
体積が少なくなればイコール本体が小さくなり、中に実装できる部品の数も制限される。
そうなると、今回備わった進化点が省かれて、もはやフラッグシップモデルではなくなってしまう。
もしも仮に”Xperia 5 VI”があるとすれば、サイズを重視して望遠カメラをなくすなどして出てくるかもしれない。(ないかもしれない。)
リフレッシュレート
画面リフレッシュレートについて。
「Xperia 1 VI」
リフレッシュレート:1-120Hz
「Xperia 1 V」
リフレッシュレート:60Hzまたは120Hz
個人的に感じられる最も大きな進化点がここで、長らく60Hzまたは120Hzという制限があったリフレッシュレートが1-120Hz可変リフレッシュレートに対応。
画面の動きに変化がない場合、自動的にリフレッシュレートを下げて消費電力が下がるためバッテリー持続時間が大幅に改善する。
「Xperia 1 V」は4K(3840×1644)のディスプレイを常に60Hzまたは120Hzで描画し続けるため、画面点灯時の消費電力が非常に高かった。
Xperia 1 VIのバッテリー使用量 |
Xperia 1 Vのバッテリー使用量 |
こちらのグラフは、全く同じ条件ではないけれどバッテリー使用量比べると一目瞭然。
「Xperia 1 VI」では、約16時間半アンビエント表示をして、それ以外の時間は検証・確認のために端末を触っていたにもかかわらず、1日のバッテリー消費は約15%の消費するにとどまっている。
一方で「Xperia 1 V」は、丸一日何も触らずにアンビエント表示していただけで、バッテリー消費は約40%の消費となっていた。
もしもXperia 1 Vで同じ時間(16時間半)だけアンビエント表示していると27.5%バッテリーを消費しているという計算になる。
普通に使用している時も、ちょっとしたリフレッシュレートの変動で、おおきな省電力効果がある。
明るさ
最後にディスプレイの明るさ。
「Xperia 1 VI」は、「Xperia 1 V」比で公称値で輝度1.5倍。
明るい場所でも、ディスプレイが暗く見えにくいという事が減る。
もともと「Xperia 1 V」は、以前のモデルからすればずいぶん明るくなったと思っていた。
実際に屋内で見るには、「Xperia 1 VI」と「Xperia 1 V」どちらもディスプレイを暗く感じることはまずない。(比較すれば「Xperia 1 VI」の方が明るい)
問題は、屋外の太陽光直下で利用するような場合。
「Xperia 1 VI」では輝度1.5倍の他にも、新しく「サンライトビジョン」という機能によって直射日光下での視認性が向上している。
原理としては、暗く表現されているエリアの輝度を上げて日光下でも自然なコントラストにしてくれるというもの。
「Xperia 1 VI」で「サンライトビジョン」を有効にするには本体画面設定の「明るさの自動調節」をONにしておけば良い。
実際に直射日光下でみるとこんなふうに見える。
モヤモヤと写っているのは青空にある雲。
それで若干見えづらくなっているけれど、左の「Xperia 1 VI」の方が明らかに白が白く表現されて、画面のコントラストが高いことがわかる。
写真だとわかりにくいと思うので、動画も撮影してみた。
SONYの4K HDR PVを「Xperia 1 VI」と「Xperia 1 V」で再生してみた動画。
動画の様々なシーンで、「Xperia 1 VI」のほうが見えやすいことがわかる。
特に暗く沈みがちな緑色のシーンでは、映像の雰囲気からしても別物。
実際肉眼でみていると、もうすこしどちらも見えやすく感じていて、「Xperia 1 VI」は元の映像に近い映像をかなりの日差しの屋外でも視聴できた。
もはやこうなると、解像度以上に印象が変わる重要な要素になりうる。
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●弱点はあれど、日常使いのメリットが計り知れない「Xperia 1 VI」ディスプレイ性能。
ものすごく大真面目に検証してみて、「Xperia 1 VI」にはフルHD+がゆえに、4Kディスプレイには敵わないところはあるとしても、いつも身につけて使うスマホとして嬉しいメリットがたくさんある。
好みもあるとして、デメリットとメリットを把握しておくと、買った後も納得して使えるはず。
「Xperia 1 VI」ディスプレイ性能:デメリット
・フルHD+(2340×1080ピクセル)解像度とペンタイル配列により
特定の色(赤・青)でピクセルの粗さを感じる可能性あり。
・19.5:9となったことで、シネマスコープサイズの映画視聴時の表示サイズが減少。
・本体横幅が大型化
「Xperia 1 VI」ディスプレイ性能:メリット
・19.5:9という一般的なアスペクト比により、多くのコンテンツ表示が改善
・ディスプレイが大型化
・可変リフレッシュレート対応によりバッテリー消費が改善
・輝度約1.5倍、「サンライトビジョン」により、日光下の画面コントラストが改善
視認性が大きく向上
「Xperia SPECIAL EVENT 2024」で「Xperia 1 VI」を体験してきた。4K アスペクト比 21:9 から変更した理由がわかる、これはいいじゃない!と思えるディスプレイ。
「Xperia 1 VI」のディスプレイは映像視聴に向いているのか?ソニーの「Sony Pictures Core」アプリで映画コンテンツを見比べて見た。
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●Xperia新製品、アクセサリー
Xperia 1 VI(XQ-EC44)
ソニーストア販売価格:
12GB/256GBモデル:189,200円(税込) 発売日2024年6月21日(金)
12GB/512GBモデル:204,600円(税込) 発売日2024年6月21日(金)
16GB/512GBモデル:218,900円(税込) 発売日2024年8月23日(金)
カラー:ブラック、プラチナシルバー、カーキグリーン、スカーレット
予約開始日:2024年5月22日 午前10時~
スペック:Snapdragon 8 Gen 3、メモリ12GB~16GB、ストレージ256GB~512GB、デュアルSIM対応
16GBモデルはブラック、カーキグリーンのみ
Style Cover with Stand for Xperia 1 VI「XQZ-CBEC」
市場想定価格:4,950円(税込)
カラー:ブラック、プラチナグレー、カーキグリーン、スカーレット
※リングストラップ付属
・Style Cover with Stand for Xperia 1 VI「XQZ-CBEC」製品ページ
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