α9 本来の性能をさらに引き出すVer. 5.00のメジャーアップデート。さらに進化したAF機能と強烈なリアルタイムトラッキングで最新モデルに生まれ変わったα9。
デジタル一眼カメラα9のデバイス(センサーやBIONZ X)は最先端であって、そこにVer. 5.00のメジャーアップデートされたことで、最新のカメラに生まれ変わってしまった。
あまりにも変わりすぎて新型カメラを触ってるくらいにウキウキしながら検証してみた。
※α9の従来から持つ性能については赤文字で掲載。
※Ver. 5.00のアップデートで加わった機能は青文字で掲載。
<α9の過去記事>
・ついにやってきたデジタル一眼カメラ”α9”外観編、触らないと気付かなかったやたらと細かい修正が入りまくりの良好な操作フィーリング。
・デジタル一眼カメラ”α9”の感度特性を知りたい。 ISO感度ごとにα9、α7RⅡ、α7、α6500の4機種で夜間撮影比較してみた。
・ずっと見えたまま被写体をつかまえて連写しまくれる”α9”の変態性能を、子供撮りのためだけに使ってみる。
・暗がりで動き回る子どもを「瞳AF」で追いかけて撮影してみよう。α9、α7RⅡ、α7の3機種で比較してみた。
・瞳AFだけじゃない、”α9”の被写体を捕まえる機能たちと、ホールドしたまま直感的に操作できるボタンとの組み合わせでかなり便利に。
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●α9の本来の性能をさらに引き出すメジャーアップデートの進化
まずおさらいとして、α9に搭載されるセンサーは、有効2420万画素のメモリー内蔵 35mmフルサイズ積層型CMOSセンサー。
35mmフルサイズで、[画素]と[信号処理回路]が一体化していたものを別々の層にしてさらに[メモリー]を内蔵する構造となったセンサーを搭載するのは、いまだにα9だけ。
ソニーのカメラの心臓部ともいえる画像処理エンジンBIONZ Xは、α9/α7RIII/α7III ともに最新世代で、フロントエンドLSIと組み合わせることであらゆる処理が爆速。
もともと高速連写や高速AFが得意なうえに、Ver. 5.00のアップデートによるAFアルゴリズムの進化で、さらに動体の追従性能も格段に良くなった。
コントラストAF枠はもともと25点だったものから、まさかのアップデートで425点へ多分割化。
アップデートでコントラストAFの点が増えるのかよ!!
α7III と比較してもこのAF点が劣っていたことが不満だっただけにこれで一挙に逆転。
そして撮像エリアのほぼ全面に近い約94%をカバーする693点の位相差AFセンサーは、AFアルゴリズムが進化したことで、AF-Cかつ連写時の像面位相差AFの精度が向上。
しかも像面位相差AFが使える絞り値の限界がF11からF16まで広がったこと。
望遠レンズ+テレコン利用時や、絞り込んで撮影する場合などでAFがきちんと効く絞り範囲が広がったことで実用度がさらに上がる。
・ヘルプガイド: 連続撮影
・ILCE-9 フォーカス設定ガイド: 連続撮影
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●シャッターを半押しするだけで瞳にフォーカス、左右の好みの瞳にフォーカス。
さて、Ver. 5.00の目玉の一つといえるのが、αの武器である「リアルタイム瞳AF」が、シャッターを半押しするだけでカメラが自動的に被写体の瞳を検出できるようになったこと。
今までは「瞳AF」を動作させるためにカスタムキーから割り当てたボタンを押す必要があったのに、それ自体はいらなくなってしまった。
※従来通り「瞳AF」をカスタムボタンに割りあてもできる。
フォーカスモードがAF-C/AF-Aなら、もうそのまま瞳を捕捉し続ける。
<「瞳AF」ボタンを押さなくてよくなったメリット>
・いまだ!と思った瞬間に撮れる(カスタムボタンを押すタイムラグがショートカットできる。)
・人物の動きが速すぎる場合、「瞳AF」で瞳をとらえきれなくても、被写体にあわせて撮ろうと判断できる。
・「瞳AF」のボタンをカスタムボタンに割り当てなくても良いぶん、さらに別の機能を割り当てることができる。
動画をみてもわかるように、顔がどんなに動こうとも、距離が近くても離れてたとしても、首をタテ・ヨコにふっても、瞳を検出する能力の高さは凄い。
後ろを向いてしまって完全に瞳を見失っても、振り返ればその途中の横顔の一瞬からピッと瞳にあう速さといい、多少の暗さもものともせず瞳を捕捉し続けてくれる。
ファインダー(液晶画面)ごしに、今ここだ!と思ったタイミングでシャッターをきれると、さらに最高の瞬間を残せる成功率は格段に上がる。
さらに、今までは2つの目があるうちのどっちにフォーカスするかはカメラ任せだったものから、左右の目のどちらかにフォーカスをあわせることができるようにもなった。
メニューから[オート]、[右目]、[左目]からから自分の意志でフォーカスする瞳の左右を選べる。
例えばポートレート撮影するときに、確実に自分の意思を反映できて、かつ構図に集中して撮影できる。
カスタムボタンに「右目/左目切換」を割りてておけば、ボタンを押すたびに検出する瞳を右と左に切り替えもできる。
アクティブに動きながら撮影しているときでも、こっちの瞳のほうがイイと思った瞬時にカスタムボタンを押して左右の瞳のフォーカスを切り替えられる。
もちろんタテ構図にしても有効。
制限として、シャッター半押ししている最中は左右の瞳の切り替えはできないので、仮に連写しながら左右切り替えというような使い方はできないことには注意。
カメラが”瞳を追いかけてくれる”ことで、フォーカスすることに意識を割かなくてもよくなると、ほかの”構図”や”光の加減”、”左右の瞳のどちらに合わせよう”といったところに意識のリソースをまわせるようになる。
それだけでも今まで以上に”自分の思い描く撮りたい写真”により近づけることができる。
・ヘルプガイド: 顔/瞳AF設定
・ILCE-9 フォーカス設定ガイド: 顔/瞳AF設定
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●オートフォーカスの革新「リアルタイムトラッキング」
フォーカスモードから選ぶ「ロックオンAF」から、強烈に進化したものが「リアルタイムトラッキング」。
「ロックオンAF」は、”被写体との距離・色・顔”を検出して追従。
「リアルタイムトラッキング」は、”被写体との距離・色・顔”に加えて”模様(輝度)・瞳”までも加えた空間情報をリアルタイムかつ高速に検出して、複雑な動きやスピードに緩急のある物体を高精度に認識して追尾しつづけるというもの。
α9に備わっている、機械学習を含むAI技術による物体認識を含むアルゴリズムを応用したもので、静止画と動画どっちにも有効。
使い方は超かんたん。
フォーカスエリアモードを[トラッキング]にして、捉えたい被写体をみつけたらシャッターを半押しするだけ。
それだけで、被写体を自動的に追尾しはじめる。
しかも、AF時の顔優先を「入」にしておけば、人物の被写体ならリアルタイムに瞳を検出し続けるので、非常に高い被写体認識精度を発揮。
動き回る被写体をとらえつつ、顔と認識されれば顔に、瞳が検出されれば瞳へとフォーカス枠がかわっているのがわかる。
メニューの「タッチ操作時の機能」に「タッチトラッキング」を設定しておけば、捉えたい被写体をモニター上でタッチして自動追尾といった使い方もできる。
・ヘルプガイド: 被写体を追尾する(トラッキング)
・ILCE-9 フォーカス設定ガイド:被写体を追尾する(トラッキング)
究極に便利な使い方のひとつとして、カスタムキーに「押す間トラッキング」を設定しておくやり方。
「ワイド」や「ゾーン」、「フレキシブルスポット」など普段は好みのフォーカスモードで使いつつ、いまこの瞬間に狙った被写体を捉えたい!とおもったときにカスタムボタン押すだけ。
ボタンを押した瞬間からリアルタイムトラッキングを発動。
例えば、陸上競技で離れた場所から撮っていて、最後こちらへ向かってくるときに「押す間トラッキング」を使って被写体を捉えれば、ゴールフィニッシュあたりには瞳にフォーカスしたシーンを撮影できる。
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●「リアルタイムトラッキング」はα9の性能をフルに活用できる機能
α9の最大60 回/秒という頻度で AF(オートフォーカス)とAE(露出)を追随し続けているイコールほぼずっと捕捉し続ける能力はそのままに、顔から瞳にかけて精度をあげるのが凄い。
自分がやってるのは最初に子供(被写体)をみつけてシャッターを半押ししただけ。
しかも、693点の像面位相差AFセンサーが見えているエリアのほぼ全域(約93%)をカバーしているおかげで、フレームの端でも捉え続けているし、一瞬フレームアウトしても戻したらまた補足。
手前に障害物が交錯したときでも迷いにくい、もしくは万が一障害物側にフォーカスが移ってしまっても改めて元の被写体にリカバリーするのが凄い。
最高20コマ/秒で連写した場合でも、「L:24M(6000x4000)、RAW(圧縮)+JPEG」でも、約220枚(約12秒間)前後も撮り続けられる息の長さ。
バッファ残量も視覚的にわかるので、要所要所で連写という使い方もできる。
まさにα9のためにあるような機能である。
カメラにとっては苦手となる光量の足りない暗がりで動き回る子供の撮影も試してみた。
およそ夜20時、外灯の光がついているだけのシチュエーションで手元すらよく見えないような厳し目の暗がりの環境で「リアルタイムトラッキング」を使ってみた。
被写体をロックすると捉え続けるだけでなくて、顔と瞳と認識できれば暗所でもグイグイと精度を上げていく。
一度補足してしまえば、顔を速く動かしてもタテヨコにふっても、手で顔を覆ったりしても、瞳をフォーカス一段落ちても顔をフォーカスし続ける。
いったん外れてもまたフォーカス。
日中に比べるとさすがに少し精度は落ちているように見受けられるものの、暗がりで動く被写体をこれくらい補足してくれると間違いなく歩留まりを上げられる。
しかも、コントラストAFがアップデートで425点へ多分割化した事もあって、暗がりでも高精度なAFができるようになって、693点の像面位相差AFセンサーと合わせて高速でかつ高精度にフォーカスしてくれる威力は相当大きい。
この状況で高速連写できて、もうひとつα9が凄いと思わせるのがブラックアウトフリーだとういこと。
連写すると一枚ごとに暗転するのが当たり前の中にあって、α9はずーっと見えっぱなしなので一切被写体を見失うことがないというのがどれだけ撮りやすいかが暗所だとより実感できる。
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●オートフォーカスの精度の高さが、どんなふうに撮ろうという気持ちを持ち上げてくれる。
α9の持つポテンシャルの高さもあって、「リアルタイム瞳AF」や「リアルタイムトラッキング」が備わったことで、まさに鬼に金棒。
実際に撮影しているとなかなか思い描いたように撮れないこととのせめぎ合いの中にあって、より少しでも自分の納得のいける写真がまた一つ増えていきそうだなという実感が大きい。
そして、フォーカスの手助けしてくれる進化のおかげでできた余裕が、今まで以上に写真を撮るときのもっと多くのことに気を回せるというのはとても貴重。
さて、Ver. 5.00のメジャーアップデートの機能的追加は他にもたくさんある。
・デジタル一眼カメラ α9 (ILCE-9)Ver. 5.00の新たに加わった機能をチェックしよう。(その1)
・デジタル一眼カメラ α9 (ILCE-9)Ver. 5.00の新たに加わった機能をチェックしよう。(その2)
・α9を思い通りに操作するためにカスタムキーとファンクションメニューを自分専用に設定しよう。(各ボタンに割り当てられる機能一覧:Ver. 5.00)
へ続く。
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●デジタル一眼カメラα9
『α9』 ボディ ILCE-9(E マウント)
・デジタル一眼カメラ α9 ボディのみ
ソニーストア販売価格: 398,880円(税別)
●長期保証<3年ワイド>付
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●αあんしんプログラム
αオーナー向けの「あんしん・快適な」サービス
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・ソニーストアでデジタル一眼カメラ”α9”の実機を触ってきたよ。(ファインダー見え続けながらの高速連写と高速AFと食いつきっぷりはマジで凄かった編)
・ソニーストアでデジタル一眼カメラ”α9”の実機を触ってきたよ。(Eマウント機の弱点をことごとく解消してきた外観編)
・デジタル一眼カメラ α9 (ILCE-9)の機能を調べよう。(設定メニュー編その1)
・デジタル一眼カメラ α9 (ILCE-9)の機能を調べよう。(設定メニュー編その2)
・デジタル一眼カメラ α9 (ILCE-9)の機能を調べよう。(設定メニュー編その3)
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●ソニーストア 直営店舗(銀座・札幌・名古屋・大阪・福岡天神)
※ソニーストア直営店(銀座・札幌・名古屋・大阪・福岡天神)にて購入の際、ショップコード「2024001」を伝えていただくと当店の実績となります。
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