ポータブルデータトランスミッター「PDT-FP1」実機レビュー。高負荷のゲームを安定してプレイできるか!?ベンチマークテスト内容をXperia 1V / Xperia 5V と比較。
報道写真や放送映像の撮影現場で安定した高速通信とシンプルなワークフローを実現するためのデバイス、ポータブルデータトランスミッター「PDT-FP1」。
冷却機構もあるし、ゲーミングとして最高なんじゃ?ということで、ベンチマークテストでXperiaとの違いを比較してみた。
・PDT-FP1 | デジタル一眼カメラα(アルファ) | ソニー
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目次
●ポータブルデータトランスミッター「PDT-FP1」の冷却機構
5G対応ポータブルデータトランスミッター「PDT-FP1」のスペックは、Snapdragon(R) 8 Gen 2 Mobile Platform、(RAM/ROM) 8 GB / 256 GBを搭載。
Xperia 5 V と同性能でゲームも安定してプレイできることがわかる。
ただしいくら性能が良くても、負荷の高いゲームをプレイすると数分で高温になってその結果として性能低下が発生してしまうため、端末の放熱性能が重要になってくる。
「PDT-FP1」の最大の特徴のひとつが、最大40度の環境でも熱遮断を防ぐとされている内蔵冷却ファン+ヒートシンク。
中央辺りのスリットから冷たい風を吸気して、発熱の主要部となるSoC回りを冷却して排熱。
わざわざ冷却装置をつけるのと違って、外装部分を冷やすのではなくて内部を直接冷やせるというのがキモになる。
設定から、冷却ファンの動作モードを「オート(バランス)」、「冷却優先」、「静音優先」の3つから選択もできる。
環境温度や実際の負荷によっては変わってくるとはいえ、ヒートシンクだけで自然に放熱を待っているスマートフォンと違ってかなりの冷却効果が見込める。
参考までに、Xperia 1 Vは、Xperia Streamという外部冷却ファンを使用することで端末の性能を最大限引き出すことができる。
ただ冷却機構としては一体化したボディになるとはいえかなり大掛かりになってしまう。
Xperia 5 V には専用の冷却ファンはないので市販されているものを使うこともできるものの、装着が安定しないのですぐに外れてしまったり取り回しに難点がある。
「PDT-FP1」:約80mm×約170mm×約26.6mm、約308g
「Xperia 1 V」+Xperia Stream:約80mm×約185mm×約39mm、約329g
外部の冷却ファンを装着するという前提で考えてみるとXperia 1 V」にXperia Streamよりも「PDT-FP1」が結果的にコンパクトになる。
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●ポータブルデータトランスミッター「PDT-FP1」とXperia 1V / Xperia 5V とのベンチマークテスト比較
「PDT-FP1」は、Xperia 5 Vと同等性能ではあるものの、冷却ファンの恩恵があるのか?
ベンチマークアプリ「AnTuTu Benchmark」をインストールしてテストしてみた。
負荷が極端に高いベンチマークテストをすると、どんなスマートフォンでも発熱によってサーマルスロットリングが発生する。
高負荷なゲームを長時間プレイするということは、ベンチマークを回し続けている状態と変わらない発熱がおきるため、ゲームをしている時の挙動や継続性がわかる。
「Antutuベンチマーク」のテスト比較
「PDT-FP1」
Antutuベンチマーク(V10.2.3)
1回目:1492641 31~36℃
2回目:1481680(-0.7%)35~39℃
3回目:1452958(-2.7%)36~40℃
3回連続で「Antutuベンチマーク(V10.2.3)」を3回連続で実施した結果がこれ。
ちなみにファンの回転モードは「バランス」を選択している。
温度グラフを見ればわかるけれど、前半の重いCPUGPUベンチマーク中は温度が上がるものの、後半に行くにしたがって冷却されていることがわかる。
一般的にスマホで連続してベンチマークテストをすると回数を重ねるごとにスコアが低下するにもかかわらず、「PDT-FP1」のスコアはほとんど変化していない。
Xperia 5 Vのベンチマークと比較してみるとこんな感じ。
「PDT-FP1」 Antutuベンチマーク(V10.2.3) 1回目:1492641 31~36℃ 2回目:1481680(-0.7%)35~39℃ 3回目:1452958(-2.7%)36~40℃ |
Xperia 5 V(XQ-DE44)「サーマルリミット:High」 Antutuベンチマーク(V10.0.1-OB7) 1回目:1434085 28~42.9℃ 2回目:1133776(-20.9%)42.9~45.8℃ |
1回目のスコアは両モデルともほぼ同じ。
2回目のスコアは、「PDT-FP1」はわずかに下がっているのに対して、物理的な冷却ファンを搭載しないXperia 5V では大きく下がっている。
ベンチマーク中の「最大・最低温度」を見てみると、Xperia 5V は排熱が難しいのか2回目の温度が40℃を超えてしまっていて、結果としてスコアをおおきく落とすことになっている。
高負荷な処理を連続でさせたり高温環境では冷却ファンとヒートシンクを持つ「PDT-FP1」が圧倒的に有利ということがわかる。
3DMark Benchmark
長時間ゲームプレイをした場合でのパフォーマンスの変化を知るため、ベンチマークアプリ「3DMark」でもテスト、
その中でも最も負荷の高い「Wild Life Extreme」を20回連続で続ける「Wild Life Extreme Stress Test」での負荷を、PDT-FP1、Xperia 1V、Xperia 5V の3モデルで比較してみる。
PDT-FP1 |
Xperia 5 V |
Xperia 1 V |
「Wild Life Extreme Stress Test」のそれぞれの結果は上記のとおり。
「PDT-FP1」スコア推移
3710、3711、3709、3651、3622、3641、3679、3706、3708、3710
3707、3678、3648、3664、3665、3675、3684、3624、3669、3706
「Xperia 5 V(XQ-DE44)」スコア推移
3706、3670、3448、3067、3038、3041、2588、2186、2364、2037
2022、2011、1744、1993、1568、2002、1512、1851、1619、1648
「Xperia 1 V(XQ-DQ44)」スコア推移
3680、3685、3430、2998、2998、2634、2661、2459、2321、2056
1947、2120、1818、1689、1749、1936、1613、1555、1810、1443
結果をみると一目瞭然、「PDT-FP1」は、3700前後の高いスコアを最初から最後まで3%以下の幅でスコアを維持し続けている。
「PDT-FP1」、Xperia 1 V、Xperia 5 Vは同じSoCのため、最高スコアはほぼ同じではあるものの、熱対策の有無が連続テスト結果に反映。
冷却ファンを搭載していないXperiaと比べるとは全く異なる。
PDT-FP1 |
Xperia 5 V |
Xperia 1 V |
また、上図を見ると、20回計測したうちの最高スコアと最低スコアを出したさいのベンチマーク中のフレームレートの推移グラフを比べて見ることができる。
Xperia 1V とXperia 5V は、最高スコアと最低スコアのフレームレートの差が大きく異なるのに対して、「PDT-FP1」はほとんど変わっていない。
これはなかなか驚異的。
「PDT-FP1」の冷却ファン排熱性能は、3D Markのベンチマークテストでは余裕で冷やせるということか。
また、スコア以外にも、20回計測中の「バッテリー消費」、「本体温度」、「フレームレート」の3項目の推移も見て取れる。
「PDT-FP1」
バッテリー:84%から71%へ減少(約13%減少)
本体内温度:33℃~48℃
フレームレート:17FPS~28FPS
「Xperia 5 V(XQ-DE44)」
バッテリー:100%から94%へ減少(約6%減少)
本体内温度:29℃~46℃
フレームレート:3 FPS~27FPS
「Xperia 1 V(XQ-DQ44)」
バッテリー:93%から85%へ減少(約8%減少)
本体内温度:30℃~46℃
フレームレート:3 FPS~27FPS
Xperia 5 V、Xperia 1 Vともに高いフレームレートを出しながらも、極端に低いフレームレート(3FPS)の時がある。
一方で「PDT-FP1」は、一番低いフレームレートでも17FPSを維持、結果としてバッテリーの消費量も13%減少と大きくなっている。
これは冷却ファンの消費電力に加えて、冷却されたことでSoCが安定して高負荷な処理を連続稼働できてしまうため、結果として消費電力が増えてしまったということになる。
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●「原神」最高設定でFPSの変動を調べてみた。
「PDT-FP1」の挙動
Xperia 5 Vは、はじめてから5分くらいまでは高FPSを維持していたけれどその後低下。(赤色のグラフ)
「PDT-FP1」は、ずっと60FPSを維持している。(青色のグラフ)
普通、スマホの本体温度が上がると、CPU動作周波数などもサーマルスロットリングにより徐々に低下して、FPSの低下が起こる。
ところが、冷却ファンを搭載する「PDT-FP1」は、本体の温度上昇がほとんどないため高いFPSを維持することができている。
次に、もっと時間が経過するとどうなるか?30分以上無操作の状態を比較してみた。
グラフをみると一目瞭然。
Xperia 5 Vは本体温度の上昇によりFPSが低下、温度が下がった瞬間にFPSが上がる、という動作を繰り返している。(赤色のグラフ)
「PDT-FP1」は、30分以上動作させても60FPSをずっと維持している。(青色のグラフ)
本体温度についてもほとんど上昇していない。(オレンジ色のグラフ)
いかに冷却ファンが効果的かということがわかる。
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●長時間高負荷作業が可能な故にバッテリーの持ちには注意
ポータブルデータトランスミッター「PDT-FP1」の冷却性能はかなり有能で、ベンチマーク中でも熱による性能低下を感じる場面はほとんどなかった。
ずっと高負荷な処理ができるのは良い反面、そのぶん消費電力が高い状態を維持してしまう。
そうすると、一般的なスマートフォンよりもバッテリーの減りが早く感じてしまう。
ただこれはあくまでも最高の状態を維持しているだけ。
そのための充電用USB端子が追加されると思って、ポータブルバッテリーを用意するのもひとつ。
おまけの副産物的というか、「PDT-FP1」の本体背面に三脚ネジがあって、それを利用すれば例えばミニ三脚に固定してプレイもできる。
これが思ったよりも快適。
しかも背面のスロットを手で塞ぐこともない。
もちろん、原神を画質最高設定、フレームレート[60]でプレイしても、熱による性能低下を感じることはないし、ゲーミングスマホとしての性能を開花させたという感じ。
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・まもなく発売のまるでXperiaな、PDT-FP1 の ヘルプガイドが先行公開!Android 14へのOSアップデートも確定か!
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