ポータブルデータトランスミッター「PDT-FP1」実機レビュー。5Gミリ波や5GSA(スタンドアローン)の高速通信に対応しているか 通信テストしたみた。Xperiaより高速だけど、課題はそもそもの5Gエリア。
ポータブルデータトランスミッター「PDT-FP1」実機開封レビュー。
・5Gミリ波対応＆アンテナ強化、冷却ファン・HDMI入力・LAN端子・USB type-C x2 を搭載して、中身はまるまるXperia！
・高負荷のゲームを安定してプレイできるか！？ベンチマークテスト内容をXperia 1V / Xperia 5V と比較。
の続き。
ポータブルデータトランスミッター「PDT-FP1」は、国内外の5Gミリ波帯やSub6通信、スタンドアローン方式の5G通信、ローカル5Gといった幅広いバンドに対応している。
そのため、一般のスマートフォンよりも電波のつかみもよくて、スピードテスト用としても利用できるはず。
5Gミリ波対応と、5G SA（Stand Alone）対応の部分を確かめるために、対応基地局の近くまで行って検証してみた。
・PDT-FP1 | デジタル一眼カメラα（アルファ） | ソニー
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目次
●「5G SA」を利用するには？サービス申し込みと対応SIM、そして対応エリア。
「5G SA」は、5G専用のコアネットワーク設備である5GC（5G-Core）と、5G基地局を組み合わせて通信をする方式で、高速通信を利用できるというもの。
＜Xperiaの検証記事＞
・SIMフリーモデル「Xperia 1 V（XQ-DQ44）」は、5G SAに対応しているのか？（実践編）ドコモ回線の 5G SA に接続、高速通信を確認！ただし、バンドやキャリアによっては接続できない可能性もある。
・SIMフリーモデル「Xperia 1 V」は、5G SAに対応しているのか？（準備編）ドコモ 5G SA を利用するために必要な申し込みとSIMカード（ドコモUIMカード）。
・ドコモ「Xperia 5 V SO-53D」は、5G SA 非対応？ では SIMフリーモデル「Xperia 5 V XQ-DE44」は、5G SAに対応しているのかを検証。「Xperia 1 V XQ-DQ44」と合わせて、n78、n79のバンドでの接続を確認。
まず前提として、「5G SA」を端末で利用するには、ドコモの場合は「5G SA」サービスを利用する申し込みが必要。
さらに、5G SAサービスを利用するにはVer.6以上のSIMが必要になる。
※SIMカード（ドコモUIMカード）の色が、グリーンであればVer.7、水色（スカイブルー）であればVer.6。
これらの条件をクリアして初めて「5G SA」が使える条件が揃う。
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2023年12月31日時点
あとは、「5G SA」に対応したエリアに行って使えるかどうかを試すだけ。
提供されているエリアやスポットがかなり限定されているけれど、ドコモは表示上はエリアがかなり多く見える。
（実際は、山奥の基地局だったりと一般ユーザーが利用できる場所はほとんどない）
ドコモHPの「5G SA」の提供エリアを調べると、［提供施設・スポット］が掲載されたPDFと、地域別サービス提供状況のテキストデータが掲載されているだけ。
今回は以前5G SAを確かめたときに使った場所で検証してみた。
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●「PDT-FP1」は5G SA通信を確認。ドコモ採用バンドのn79もキャッチ。ただしミリ波は…
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検証場所は、河川敷沿いの道から見えるドコモの基地局。
ここではミリ波も展開しているようで、ポータブルデータトランスミッター「PDT-FP1」を使ってミリ波の検証もできるはず。
「PDT-FP1」に、最新のドコモSIM（ドコモUIMカード Ver.7）を入れて検証してみた。
ポータブルデータトランスミッター「PDT-FP1」で「5G SA」を浴びた結果
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電波状況を調べてみると、ポータブルデータトランスミッター「PDT-FP1」ではすんなりと「5G SA」を掴めた。
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5G SAのうちn78（3.7GHz帯）に加えて、ドコモのみが利用しているn79（4.5GHz帯）についても接続を確認。
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通信スピードテストをしてみると、下り速度は最高1.3Gbpsに迫る速度で、上りについては最高60Mbpsの速度が出た。
技術規格上の最大通信速度はミリ波通信時で、最大値ダウンロード：8.1Gbps、アップロード：1.1Gbps と比べると物足りないものの、この5G SAの通信スピードであれば下りも上りも日常利用している通信よりははるかに高速。
ちなみに、同じ場所でXperia 1 Vで計測してみると、下り1000Mbps程度、Xperia 5 Vでは800Mbps程度の速度。
ポータブルデータトランスミッター「PDT-FP1」が電波のつかみとしても良くなっていると感じられる。
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ポータブルデータトランスミッター「PDT-FP1」で「5G SA」が利用できる事を確認。
基地局付近であれば、モバイル通信でも4K配信が可能なほどのアップロード速度が出ることもわかった。
ポータブルデータトランスミッター「PDT-FP1」で「5G ミリ波」を浴びた結果
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では「5G ミリ波」もと思ったところ、「5G SA」で掴んだ位置では全く電波を掴まない。
さらに基地局に近づいてみた。
もはや基地局の直下という超至近距離まで近づかないと掴まない…。
この基地局の「5G ミリ波」は、一体誰のために飛ばしているのか疑問になるレベルの利用可能範囲しかない。
ドコモが公開している5Gミリ波のエリアはこういった場所が多くて、山の中や河川敷、よほどの都会でなければ街中であっても通常一般人が立ち入れないNTTが入る建物などばかり。
5Gミリ波や5GSAを体験したいのであれば、スポットとして紹介されている観光地や施設、ドコモショップで体験することを強くオススメする。
一応は、ポータブルデータトランスミッター「PDT-FP1」で「5G ミリ波」を掴むという事実だけは確認できた。
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「5G ミリ波」はn257（28GHz帯）での接続を確認。
気になったのは、今回試した限りでは「5G SA」通信を有効にしているとn78やn79に優先して接続するため、ミリ波による通信ができなかった事。
これが「PDT-FP1」のミリ波（n257）が「5G SA」に対応していないため（実際に対応していないかは不明）なのか、基地局自体がn257かつ5G SAに対応となっていないのかがわからない。
今回確認できたのは、n257（28GHz帯）の5G NSA（ノンスタンドアローン）による通信。
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通信スピードテストをしてみると、下り速度はだいたい400～700Mbpsに迫る速度で、上りについては最高で80Mbpsの速度となった。
技術規格上の最大値ダウンロード：8.1Gbps、アップロード：1.1Gbps と比べると物足りない。
5GSAの通信のほうが下りについては高速という結果となった。
「5G ミリ波」かつ「5G SA」という状況であれば、さらなる通信速度を体感できるはずなのに、実際に試してみないことにはわからない。
これは「PDT-FP1」ではなくて、基地局やドコモの回線に問題がある可能性が高い。
「5G SA」でも、「5G ミリ波」でも下りについては十分高速なので、あとは安定性と上りの速度向上を期待したいところ。
auでは、2024年度に基地局出力を引き上げる計画を立てているので、今後はドコモよりもその他キャリアのほうが通信テストの回線として有利になる場面も増えるかもしれない。
・KDDI、5Gエリア2倍で接続しやすく 基地局出力引き上げ（日本経済新聞 外部サイト）
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●ポータブルデータトランスミッター「PDT-FP1」はSIMフリーモデルXperia以上の通信ポテンシャル。あとは安定したキャリア回線待ち。
ポータブルデータトランスミッター「PDT-FP1」で、実際に提供エリアで検証してみたところ「5G ミリ波」や「5G SA（Stand Alone）」に接続できた。
そして、5Gミリ波はNSAによる接続であれば通信でき、5G SAのn78（3.7GHz帯）とn79（4.5GHz帯）に接続できた。
「Xperia 5 V XQ-DE44」、「Xperia 1 V（XQ-DQ44）」よりも通信速度が早く、少なくとも端末サイズに見合った電波のつかみやすさを持っていることは間違いない。
今回はドコモ回線によるテストだったけれど、他のキャリアの詳細エリアが公開されればテストしてみたい。
検証の予定としては、ドコモショップなどの5Gミリ波スポット、auの5Gミリ波スポットでの通信テストもしてみる予定。
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●ポータブルデータトランスミッター「PDT-FP1」関連記事
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