ノイキャンなしでもイヤホン部もケースも超コンパクト軽量な左右独立型のワイヤレスステレオヘッドセット h.ear in 3 Truly Wireless「WF-H800」レビュー。スマホアプリでカスタマイズできる物理ボタンが便利。
2019年に登場して爆発的な人気となった左右独立型のワイヤレスヘッドホンにノイズキャンセリング機能を搭載した「WF-1000XM3」。
その弟分とも言える、5色のカラバリ展開するh.ear(ヒア)シリーズのBluetooth®対応ワイヤレスステレオヘッドセットh.ear in 3 Truly Wireless「WF-H800」が登場。
ノイズキャンセリング機能が省かれているというのが「WF-1000XM3」との大きな違いとなるけれど、実際にh.ear in 3 Truly Wireless「WF-H800」を使ってレビューしてみよう。
・ハイレゾ相当の高音質で楽しめるh.ear(TM)シリーズ完全ワイヤレス型ヘッドホン『WF-H800』発売 | プレスリリース | ソニー
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●装着性のよい左右独立型ワイヤレスイヤホンに5色のカラバリをそろえたh.ear in 3 Truly Wireless「WF-H800」
もともとh.ear in 3 Truly Wireless「WF-H800」は、IFA2019で先行して展示されていたため、予想では昨年中に発売されていてもおかしくなかった。
けれども、おそらくは発売から数ヶ月経過しても売れ続けて品薄の続く「WF-1000XM3」の影響が少なかったこともあるのか、発売は2020年2月となった。
現時点で販売開始となるのは日本国内だけであり、北米やヨーロッパではプレスリリースは出ていない。
まず、なんと言っても左右完全独立タイプの最大の魅力はケーブルから解き放たれるフリースタイル。
配線がいっさいなくてひっかかったり邪魔にならないところが良いところ。
その一方でケーブルがなくて耳の穴(外耳孔)だけで保持できるのか?耳から落ちないのかが不安になりもする。
「WF-H800」の形状を見ると、一般的な有線タイプのカナル型イヤホンに比べると耳に差し込む部分が長くなっており、耳に接する部分が耳の穴に沿ったような形状になっている。
内側はラバー素材を採用していることもあって、実際につけてみると耳周りの装着保持性は意外なほどに良い。
ちなみに、「WF-1000XM3」のイヤホン本体の形状を見比べると印象はかなり異なる。
「WF-1000XM3」はよりシャープな印象を持ち、一つのイヤホンの重さは約8.5g、「WF-H800」は豆のような形をしていてこちらは約7.6g。
ノイズキャンセリング機能がないためか、より軽くより小さくなっていて、そのぶん耳に付けた負担が極小ながらも少なくなるし、安定度も増すというメリットもある。
装着方法としては、本体を下向きにして耳の穴に突っ込み、その後上向きに90度向きを変えると装着完了。
鏡をみると、SONYロゴが読める向きが正解。(反対向きになっているとそれは間違い。)
イヤーピースが耳の中だけで支えてるだけではなく、耳にあたる3ヶ所で保持していることもあって、しっかりフィティング。
付属イヤーピースは、通常のイヤーピースと比べると明らかに長めの「ハイブリッドイヤーロングピース」が SS/S/M/Lの4種類。
サイズはフィッティングに影響するところで、しっかりと耳の中で保持されることが密閉感や聴きごこち遮音性にもかかわってくる。
「WF-1000XM3」についてくる、2種類の硬度のシリコンゴムに独自開発のシリコンフォーム素材を組み合わせた「トリプルコンフォートイヤーピース」は、「WF-H800」には付属しない。
必要であれば、別途購入することもできる。
・トリプルコンフォートイヤーピース EP-TC50S… | ヘッドホン | ソニー
自分の耳にあったイヤーピースがうまくフィットすると、しっかり耳でホールドされて適度な装着感。
ぶんぶん首を振ってもジャンプしても、外れてしまうかもしれないというヘッドホン特有の意識が働かない安心感がある。
左右独立型だからといっての不安はない。
ただし、インナーイヤーを装着すると耳の穴を塞ぎ続けていることには変わりなくて、長時間装着したままだと耳疲れする場合には素直にはずして休憩しよう。
本体サイズは小型ながら高感度な6mmドライバーを採用して、パワフルな低音からクリアな高音まで高精細な音楽再生を実現。
ワイヤレスで接続するBluetoothの対応コーデックは、SBC、AACのみとなるため、LDAC(エルダック)、やaptX HDには非搭載。
この点は、「WF-1000XM3」と同じ。
ただし、CD音源やMP3といった圧縮音源をアップスケーリングして、サンプリング周波数とビットレートを最大96kHz/24bitまでアップスケーリングする「DSEE HX」をこの小さい本体でも搭載。
プレーヤー側の再生音源を気にせず、ヘッドホン側で高音質化してくれる。
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●前モデルの不満点を一挙に解消するどころか、大幅に使い勝手のよくなった進化っぷり。
右独立型のワイヤレスヘッドホンを躊躇するところは、電波が多いところにいくと、いともかんたんに片耳から音がでなくなったり音の大幅な遅延。
ここは、新しいBluetoothチップを採用して左右同時に転送かつ通信の遅延も4分の1に、そしてBluetoothを受信する最適化されたアンテナ構造になったおかげで劇的に改善。
「WF-1000X」が途切れやすかったのか今まですぐに途切れていたところでも全然大丈夫。
当然ながら絶対的に途切れないわけではないものの、その遭遇率は極端に低く、これほどの安定性なら十分満足がいく。
ちなみに途切れやすい場所の場合、設定から「音質優先」を「接続優先」にするとかなり切れにくくなるので、もしも音途切れに遭遇した場合は変更してみる価値はある。
動画視聴するさいにも、音声の遅延が大きいともはや見る気すらなくなってしまうものだった過去機種から思えば劇的に改善。
通信遅延が4分の1にもなれば十分見られる。
転送で途切れない、遅延がほぼなくなる、というこの2つのストレスが解消されて初めて本当に使いたいモノになる。
左または右どちらか片方を充電ケースにしまったままでも、片側だけでも聴けるのがまた便利。
片方で音楽を聴くとか、ハンズフリー通話も片耳でいい場合もある。
バッテリー残量が心もとないなと思ったら、片方を充電しながら片方を使うといった技も使える。
左右両側を装着した状態で音楽を再生しているときに、一時的に片側を外すと、自動的に音楽が一時停止。
改めて装着すると自動で音楽が再生。
一時的にはずして他のことをしていて、改めてくっつけたらお気に入りの曲がすぎててしまってまた戻すとか面倒このうえないので、普通にこの機能は便利。
また、片側を外したまま約5分経過すると、自動で外した方のイヤホンの電源がOFFにもなってくれて、うっかりバッテリーを浪費していたなんてのも防げる。
イヤホン本体の左右それぞれに、物理ボタンを一つ搭載。
「WF-1000XM3」はタッチセンサーで、イヤホンのポジションを変えようとか髪をかきあげたときに、不意に指があたって動作する場合もあったので、物理キーのほうが良いと思う人も多いかもしれない。
スマートフォンなどの音楽再生機の再生/一時停止、曲送り/曲戻し、ノイズキャンセリング/外音取り込みの切り替え、さらには電話の着信や終話ができる。
ここらは、左右どっちに機能を割り振りたいかはアプリでカスタマイズができるので、ちゃんとかゆいところにも手が届く。
iPhoneの「Siri」や、Androidの「Google Now」といった音声アシスタントを呼び出しもできるので、スマートフォンを取り出さずにヘッドホン側の操作と音声操作だけで、電話をかけたり音楽を再生、情報検索といった使い方もやろうと思えばできる。
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●充電用ケースは圧倒的にコンパクトで充電できる専用キャリングケース。
「WF-H800」のイヤホンを収納するケースはバッテリー充電機能付き。
端子は、USB type-C。
USB type-Cケーブルをこのキャリングケースにつないで満充電にしておくと、「WF-H800」を1回フル充電できる。
イヤホン収納ボックスとしても省スペースで、質感も良い。(カラーにより素材感は異なる。)
「WF-1000XM3」のキャリングケースと比べてみるとその体積の小ささは圧倒的で、このコンパクトさこそが持ち運びたくなる「WF-H800」のアドバンテージと言える。
ただし、「WF-1000XM3」のキャリングケースは本体を3回充電できるというメリットもあるので、どちらを重視するかは使う人次第。
ケースのフタを開けると、左右にイヤホンの入れる場所はそれぞれに決まっている。
フタをあけてイヤホンをケースに入れようとすると、マグネットでペタっと吸い込まれるように収まる。
左右独立型初代モデル「WF-1000X」などは、充電の接点が触れるまで押し込まないと充電できていなかったなんてことがあったけれど、マグネット式だとその心配もない。
意識せずにカンタンに出し入れできることが快感。
ケースに入るとイヤホン本体は自動的に電源OFFになって充電開始。
イヤホンをケースから取り出すと、自動的に電源が入って、と同時に左右チャンネルのペアリングも自動で行われてすぐに使える。
フル充電にかかる時間は、左右それぞれに約1.5時間。
単独で利用できるバッテリーライフは本体のみで最長本体8時間。
充電ケース1回充電して最長16時間バッテリーが持続するという計算になる。
本体のみのバッテリーの持ちを考えれば、「WF-1000XM3」が6時間とすると、2時間長い。
しかも10分充電で70分再生できる急速充電にも対応。(「WF-1000XM3」は、10分で90分再生)
はやく使いたいのにチャージしなきゃいけないというイライラもできる限り緩和される。
スマートフォン(AndroidやiPhone)と連携して使うには、最初にbluetothのペアリングをしておく必要がある。
NFCを備えたXperiaやウォークマンとのペアリングは超カンタン。
ケースからイヤホンを取り出して電源が入った状態にしておいて、キャリングケースにあるNFCマークを、機器にあるNFCマークと近づけるだけ。
それ以降も、NFCを近づけるだけで、切断も再接続もワンタッチ。
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●かゆいところに手が届く「headphones Connect」アプリ
スマホ専用のアプリ「Headphones Connect」をインストールしておくと、さらに細かい設定ができる。
アプリの画面はちゃんと本体カラーに合わせて同じカラーを表示。
接続されているヘッドホンのbluetoothのコーデックや、左右のバッテリー残量に加えて、充電ケースのバッテリー残量を100%/70%/30%/5%の4段階で確認もできる。
左右それぞれに備わるタッチセンサーに割り当てる機能もカスタマイズできるようになったのがミソ。
右・左のそれぞれ独立して、音楽の再生/停止や、音量のコントロール、Googleアシスタント、Amazon Alexaといった機能を振り分けができる。
その他、「イコライザー」機能も調整、両耳で使用している時に片側のイヤホンを外すと自動で音楽が一時停止する機能のON/OFF、「音質モード」の切り替え、「DSEE-HX」のON/OFF、装着していない場合の自動電源OFFの設定の変更、通知音と音声ガイダンスの言語の変更までもができる。
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●h.ear in 3 Truly Wireless「WF-H800」のカラーバリエーション
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左右独立型のワイヤレスヘッドホンで、そもそもノイズキャンセリング機能が欲しい場合は、「WH-1000XM3」一択である。
「高音質ノイズキャンセリングプロセッサー QN1e」と「デュアルノイズセンサーテクノロジー」を載せた恩恵は計り知れなくて、そのノイズキャンセリングっぷりを味わうと元に戻れない。
「WH-1000XM3」と「WF-H800」の価格差にしても3,880円しかないので、ノイズキャンセル機能を重視すれば揺るぎないことは変わらない。
ただし、皆が皆同じ思考ではないし、使うスタイルは人それぞれ。
「WF-H800」は、ノイズキャンセリング機能は省かれているけれども、その代わりにより小さく軽くなったイヤホンは耳への装着性はより高くなっているし、単独使用のバッテリーの持ちも長い。
およそ左右独立型ワイヤレスヘッドホンのワナとも言える、”音声途切れる&遅延”は解消されているし、DSEE HXでヘッドホン側で音質を良くしてくれるし、物理ボタンに割り当てる機能はスマホアプリでカスタマイズできる。
買ったものの、音質が耐え難い、耳に付けていられない、途切れる、遅延するといった使い勝手の不満があると、そもそも使いたくなくなるのが人間心理としてあるけれど、それが「WF-H800」にはない。
充電ケースごと劇的に小さくて持ってでかけても苦にならないし、いまあるスマホで聴くあらゆる音をスマートかつ高音質に聴ける。
自分好みのカラーを5つからチョイスして、スタイリッシュに魅せつつ使える左右独立型ワイヤレスヘッドホンが加わったというべきだろう。
・ワイヤレスノイズキャンセリングステレオヘッドセット「WF-1000XM3」、おじさんレビューばかりじゃ参考にならない!?20代のナウでヤングなみんなたちのレビュー。
・大学生のみんなたちがウォークマン・ヘッドホンを体感。今どきの音楽の楽しみ方や不満点は何?みんなの本音を聞いてみたアンケートレポート。
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●ワイヤレスステレオヘッドセットh.ear in 3 Truly Wireless「WF-H800」
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・静寂とイイ音の合わせ技が最高すぎる、完全ワイヤレスのノイズキャンセリングステレオヘッドセット「WF-1000XM3」を使ってみたレビュー。
・ワイヤレスノイズキャンセリングステレオヘッドセット「WF-1000XM3」を2週間ガッツリ使ってみた雑感。
・[ Engadget Japanese 掲載]完全ワイヤレス&ノイキャンで劇的に進化 ソニーの新ヘッドセット「WF-1000XM3」レビュー
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