Xperia 10 VIIIのベンチマーク安定性は前モデルより劣る?海外レビューの数値が気になったので、同じ条件で測ってみた。

2026年10月8日(木)発売のミッドレンジスマートフォンXperia 10 VIII(XQ-GH44)について、「負荷をかけ続けると前モデルのXperia 10 VIIより性能が落ちやすい」という海外レビューの指摘が話題になっている。
海外メディアNotebookcheckの実機レビューで、3DMarkのストレステストの安定性が、Xperia 10 VIIの99.6%に対してXperia 10 VIIIは75.7%と、大きく差がついたというもの。
Xperia 10 VIIIとXperia 10 VIののSoCは、どちらも同じSnapdragon 6 Gen 3。
同じSoCでそこまで大きく差がでるものなのか? 国内向けSIMフリーモデルのXperia 10 VIII(XQ-GH44)とXperia 10 VII(XQ-FE44)を並べて、同じ条件でストレステストを回してみた。
結果としては、安定性はXperia 10 VIIIで78.3%、Xperia 10 VIIで76.4%。
手元でテストした2台では、Xperia 10 VIIIだけが安定性で劣るという結果にはならなかった。
なぜ海外レビューとここまで違う結果になったのか、「安定性」という数字の仕組みから確認してみた。
Xperia 10 VIII (XQ-GH44) SIMフリーモデル予約販売開始。ソニーストア販売価格 99,000円(税込)、10月8日(木)発売。
・Xperia 10 VIII 製品ページ
・Xperia(TM) スマートフォン(SIMフリー) | ソニー
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●海外レビューで指摘された「Xperia 10 VIIIの安定性」

Headphone jack, microSD, and a hefty price tag: Sony Xperia 10 VIII Review
話題になっているのは、海外メディアNotebookcheckが9月28日に公開した実機レビュー。
測定に使われたのは、ソニーのドイツ法人から提供された海外モデル。
Notebookcheckの情報
3DMark Wild Life Extreme(1回だけ測ったスコア)
Xperia 10 VIII:867
Xperia 10 VII:876
3DMark Wild Life Extreme ストレステストの安定性
Xperia 10 VIII:75.7%
Xperia 10 VII:99.6%
安定性は、ストレステスト中の最高スコアに対する最低スコアの割合。
100%に近いほど、負荷をかけ続けてもスコアが落ちないことを表している。
1回だけ測ったスコアは2機種でほぼ同じなのに、連続で回すと大きな差がつく。この数字だけを見ると、Xperia 10 VIIIは熱に弱くなった印象を受けてしまう。
ただし、Notebookcheckが載せているのは「1回だけ測ったスコア」と「ストレステストの安定性」で、Xperia 10 VIIがストレステスト中にどのくらいのスコアを出していたのかは書かれていない。
Xperia 10 VIIの1回だけのスコアが876だったとしても、ストレステストの20回のあいだに876前後を保っていたとは、どこにも書かれていない。
(ベンチマーク結果は載っているものの、テスト環境は不明。比較グラフではSoCがSnapdragon 6 Gen 1と表記されているなど、誤記も見られる)
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●「Xperia 10 VIII(XQ-GH44)」とXperia 10 VIIを同じ条件で比べてみた。
<Xperia 10 VIII>
プロセッサー:Qualcomm社製「Snapdragon® 6 Gen 3 Mobile Platform」
メモリー:8GB(+最大6GBの仮想RAM)
<Xperia 10 VII>
プロセッサー:Qualcomm社製「Snapdragon® 6 Gen 3 Mobile Platform」
メモリー:8GB
Xperia 10 VIIIのSoCは同じSnapdragon® 6 Gen 3なので、基本的な処理性能はXperia 10 VIIと同等と思われる。
違いが出るとすれば、仮想RAMを使ったときのアプリの切り替えや、発熱・電池の減り方。
そこで、Xperia 10 VIIと同じ条件でベンチマークテストをしてみた。
3DMark Wild Life Extreme Stress Test
海外レビューで差が大きかったテストと同じ、3DMarkの「Wild Life Extreme Stress Test」を実行してみた。
同じテストを20回くり返して、スコアがどう変わるのか。
なお、Notebookcheckでは「Wild Life」「Steel Nomad Light」のストレステストでも Xperia 10 VIII の安定性が低い結果になっていたけれど、今回は2機種の差がいちばん大きい「Wild Life Extreme」に絞って比べてみた。
「Xperia 10 VIII(XQ-GH44)」スコア推移
899、896、896、846、785、760、730、718、707、706
706、705、704、706、707、707、707、707、704、705
平均:750.05
最高:899/最低:704
安定性:78.3%
「Xperia 10 VII(XQ-FE44)」スコア推移
869、719、711、711、712、711、712、710、713、710
711、711、711、711、697、683、680、673、670、664
平均:709.45
最高:869/最低:664
安定性:76.4%
SoCが同じなので全く同じ動きになると予想していたものの、平均スコアはXperia 10 VIIIのほうが少し高い結果となった。
Xperia 10 VIII は3回目まで約900のスコアを保ち、そこから下がって9回目以降は約705で落ち着く。
Xperia 10 VII は2回目で約710まで下がり、15回目からさらに下がって最後は664。
どちらも、負荷をかけ続けると性能を抑える動きをしている。
平均の差は約40。本体温度の違いでスコアが変わった可能性もあるので、使っていて差を感じるほどではないと思われる。
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ここで注目すべきは、安定性という数字のマジック(特性)について。
最初のスコアが高いほど最低スコアとの差が開き、安定性は低いという事になる。
今回のXperia 10 VIII は、最高899・最低704で78.3%。
仮に最高が720までしか上がらなければ、最低が同じ704でも安定性は約97.8%になる。
最初に高いスコアが出てしまっただけで「安定性が低い」と表示されてしまう。
安定性を評価するのであれば、スコアの経緯をすべてセットで確認しないと判断が難しい。
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「Xperia 10 VIII(XQ-GH44)」
バッテリー:92%から88%へ減少(約4%減少)
本体内温度:32℃~38℃
フレームレート:3FPS~7FPS
「Xperia 10 VII(XQ-FE44)」
バッテリー:89%から84%へ減少(約5%減少)
本体内温度:35℃~40℃
フレームレート:3FPS~7FPS
スコアに大きな差がないこともあり、バッテリーの減り方、温度の上がり方、フレームレートの推移にもほとんど違いはない。
注目すべきは、ベンチマーク開始時の本体内温度がXperia 10 VIIのほうが3℃ほど高かった点。

グラフにしてみると、開始時の温度が数℃高かったぶん、温度上昇によるスコアの低下がXperia 10 VIIのほうが早く始まっているように見える。
Xperia 10 VIIの本体内温度がもう少し低い状態から始めていれば、Xperia 10 VIIIと同じような結果になっていた可能性もある。
逆に言えば、海外レビューで安定性99.6%だったXperia 10 VIIも、800台後半のスコアを20回保っていたとは考えにくく、最初から700前後で推移していたのではないかと思われる。
2025年に掲載したXperia 10 VIIのレビューでも、スコアは1回目が872、3回目以降は約709で推移していて、最高と最低(685)から計算すると安定性は約78.6%。
今回とほぼ同じ傾向となっている。
「AnTuTuベンチマーク」のテスト比較

「Xperia 10 VIII(XQ-GH44)」AnTuTuスコア
総合:860,729
CPU:295,659
GPU:115,752
MEM:227,578
UX:221,740
本体内温度:36℃~40℃
「Xperia 10 VII(XQ-FE44)」AnTuTuスコア
総合:786,952
CPU:294,782
GPU:65,221(一部テストが実行できずスコアが約5万低下)
MEM:200,013
UX:226,936
本体内温度:37℃~42℃
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AnTuTuでも総合スコアに約7万の差が出ているものの、差の大半はXperia 10 VIIで一部のテストが実行できず、GPUの項目が低く計上されたことによるもの。
CPUとUXのスコアはほぼ同じで、体感できるほどの差は出ていない。
性能だけを理由にXperia 10 VIIからXperia 10 VIIIへ買い替えるほどの差はないけれど、性能や安定性が悪くなっているということもない。
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●国内SIMフリーモデルのXperia 10 VIIIとXperia 10 VIIでは安定性の差は見られない

3DMark Wild Life Extreme Stress Test 安定性の比較
Notebookcheck(海外モデル):Xperia 10 VIII 75.7%/Xperia 10 VII 99.6%
今回の測定(国内SIMフリーモデル):Xperia 10 VIII 78.3%/Xperia 10 VII 76.4%
Xperia 10 VIIIの数値は、海外レビューの75.7%と今回の78.3%で、近い結果となった。
大きく違ったのはXperia 10 VIIのほうで、海外レビューでは99.6%だったものが、今回は76.4%。
今回の検証結果から考えると、海外レビューのXperia 10 VIIは、ストレステストの最高スコアが低めだったぶん安定性が高く見えていたのではないかと思われる。
同じSoCを積んだ2機種で、安定性にここまで大きな差が出るほうが不自然。
ベンチマークはわかりやすい指標ではあるけれど、数字の裏には室温や本体の温度、冷却の有無といった、結果には表示されない条件が隠れている。
そのまま回した結果も、外部から冷やしながら回した結果も、説明がなければ同じベンチマーク結果として並べられてしまう。
安定性75.7%という数字だけを見て、Xperia 10 VIIIを候補から外してしまうのはもったいない。
手元の国内SIMフリーモデル同士で比べるかぎり、Xperia 10 VIIIの持続性能がXperia 10 VIIより後退しているとは言えない結果となった。
Xperia 10 VIII と歴代Xperia 14機種を一覧表で比較。「Go to 10」比較サイトの数値をパフォーマンス・オーディオ・ディスプレイでまとめてみた。
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●Xperia SIMフリーモデル ラインナップ
Xperia 10 VIII(XQ-GH44)

Xperia 10 VIII(XQ-GH44)
ソニーストア販売価格:99,000円(税込)
カラー:フロストグレー、フローズンホワイト、ミスティライラック
スペック:Snapdragon 6 Gen 3、メモリ8GB(+最大6GB仮想RAM)、ストレージ128GB、デュアルSIM対応
発売日:2026年10月8日(木)発売
ソニー ミッドレンジスマートフォン「Xperia 10 VIII」を発表。Xperia初の最大6GB仮想メモリー(仮想RAM)に対応。
Xperia 1 VIII(XQ-GE44)

Xperia 1 VIII(XQ-GE44)
ソニーストア販売価格:
12GB/256GBモデル:235,400円(税込)
12GB/512GBモデル:251,900円(税込)
16GB/512GBモデル:268,400円(税込)
16GB/1TBモデル :299,200円(税込)
カラー:グラファイトブラック、アイオライトシルバー、ガーネットレッド、ネイティブゴールド(SIMフリーモデル限定)
スペック:Snapdragon 8 Elite Gen 5、メモリ12GB~16GB、ストレージ256GB~1TB、デュアルSIM対応、ミリ波対応
ソニー フラッグシップスマートフォン「Xperia 1 VIII」のことがわかる記事まとめ。実機レビュー、モデル比較、検証や設定チップスなど。
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