第6世代Core H クアッドコアCPU、メモリー16GB、「SSD+HDD」デュアルドライブと、デスクトップPC並のパフォーマンスを備えた「VAIO S15」
【S Line】という一つのネームで横並びになった、「VAIO S11」、「VAIO S13」、「VAIO S15」。
とは言いながら、「VAIO Pro 13 | mk2」が「VAIO S13」となったように、「VAIO Fit 15E | mk2」の外観のまま「VAIO S15」というネーミングに変更。
新色のシルバーカラーのモデルがなかったら、ドマイチェンにしか見えない「VAIO S15」。
「VAIO S11」と「VAIO S13」のある程度高いモビリティとパフォーマンスというところに、もともとエントリー向けの「VAIO Fit 15E | mk2」の後継機種が入るのはどうなの?と思ったけれど、外観は同じでも、相当に内部スペックをハイパフォーマンス側に振り切ったみたいで、おもいっきり今までの”F(Fit)=ファミリー”シリーズとは路線を変更してきているようで。
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●パフォーマンスに妥協がなくなった大画面モデルの「VAIO S15」
基本的な外観はしつこいけど、「VAIO Fit 15E | mk2」と一緒。
で、それ以前の「VAIO Fit 15E」シリーズから続く共通点は、あくまでもVAIOの安いエントリーモデルで、本体は大きいけど中身は、15W TDPのプロセッサーにHDDしか選べなくてパフォーマンスは「VAIO Z Canvas」 や「VAIO Z」に軽く劣る。
デスクトップのなきいま、なるべく大画面でハイパフォーマンスなVAIOノートにしようと思っても、ちっとも当てはまらないジレンマが相当にあった。
それこそ、「VAIO Z Canvas」 や「VAIO Z」にディスプレイとキーボード、マウスを用意して使うという超贅沢仕様にしているコアユーザーもいるけれど、いやいや、もうすんなり大型ノートPCで使わせてよと思う人の心が満たされないままだった。
そこに、もう本当にやっとというか「VAIO S15」は、最新アーキテクチャのプロセッサーがのっかった!とか思ったらかなり予想を裏切るTDP 28Wを飛び越えて、なんとビックリTDP 45Wのクアッドコアプロセッサーから、大容量で高速なメモリー、SSDとHDDのデュアルドライブを搭載できる移動要塞のようなモデルに変貌。
簡単に主な進化ポイントをあげるとこれだけある。
・プロセッサーには、最新のIntel製第6世代(Skylake)Core Hプロセッサー(TDP 45W)を搭載。
・メインメモリーに最大で大容量かつ高速対応の16GBを選択可能。
・ストレージにSSDをハイブリッド HDDの選択可能で、しかも「SSD+ HDD」のデュアルドライブへのカスタマイズも可能。
・広視野角ディスプレイ、ノンタッチモデルにアンチグレア
・HDMI出力が4K出力に対応。
・USB3ポート全てがUSB 3.0へ。
・SDカードスロットが UHS-I SDR104となって理論上の最高104MB/sのデータ転送が可能。
・Wi-Fiが11acに対応。
・S Lineのシルバーカラー。
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驚異的としか言いようがないのが、プロセッサー。
「VAIO Z」のTDP 28Wよりもさらに電圧の高い、「VAIO Z Canvas」 と同じTDP 45W のしかも最新のIntel製第6世代(Skylake)Core Hプロセッサー。
厳密には、選択できるプロセッサーとして、「Core i3-6100H」は、TDP 35Wのデュアルコアだけど、「Core i7-6700HQ」と「Core i5-6300HQ」は、TDP 45Wのクアッドコア!!
同6世代のCore Uプロセッサー(TDP 15W)のと比べても、プロセッサー性能で2倍、グラフィック性能で1.2倍も高いパフォーマンスを叩き出すほど。
メモリーについても、「VAIO Fit 15E | mk2」ではDDR3L-1600(25.6GB/s)から、「VAIO S15」ではDDR4-2133(34.1GB/s)に変更。
メモリー容量も、8GB+8GBの最大16GBというデュアルチャンネル大容量かつ高速転送という意味でもパフォーマンスアップしている。
簡易ベンチの「WIN SCORE SHARE」で試してみたところでプロセッサーとメモリーのスコアが8.2という値にも今までの「VAIO Fit 15E | mk2」とはまるで違う事を実感させられる。
ちなみに、8GBで購入して、後からでも8GBを追加するという従来ながらの増設ができるのもこのボディの利点でもある。
そしてストレージ。
今まで選択肢はHDDのみという安価ではあるけれど、SSDに慣れると体感速度の違いに耐え難い苦痛を覚えてしまっていた。
そこにやっと高速レスポンスでストレスから解放されるSSD 128GBという選択肢と、小さいフラッシュメモリーにバッファ(学習)を持たさられることで、”OSの起動”や”よく使うアプリの起動”を高速化しつつ大容量のハイブリッド HDD 1TB、という選択肢も増えた。
と、ここまでなら大した驚きにはならないのだけど、「VAIO S15」の凄いところは、「高速なSSD」+「大容量のHDD」の両者を搭載できるデュアルドライブができるという事。
OSやアプリにまつわる体感速度に影響する部分を「高速なSSD」に任せて、データ保存を「大容量のHDD」へという使い方ができる。
<参考画像:VAIO Tap 21のSSDとHDDのハイブリット化>
これ、どこかで聞いた事があるなーと思ったら、半年前にイレギュラーで「VAIO Tap 21」にmSATAのSSDとSATAのHDDの2つを載せたのと同じじゃないか!?というか、出来るスキマがあれば既存のノートPCのボディにもかかわらず、それをやってしまおうという考え方が凄い。
<参考>
・「VAIO Tap 21」のmSATAとSATAを同時利用して、ツインドライブにできるか実験してみた。
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●光学ドライブと多数の端子類をもったオールインワンモデルの利便性。
「VAIO S15」は、今となってはもう唯一の光学(BD/DVD)ドライブ搭載モデル。
DVDドライブからBDドライブ(BDXL対応、DVDスーパーマルチ機能搭載)にアップグレードしてもたったの8,000円しか変わらず、動画/画像編集してディスクメディアを作るという導線が目的とするならBDドライブ一択。
「VAIO Fit 15E | mk2」では、USB3.0 x2、USB2.0 x1という中途半端な状態だったものから、「VAIO S15」は3つのUSBともにUSB 3.0へ。
他、ヘッドホン端子、マイク端子、有線LANポート、D-Sub15ピン、4K出力に対応したHDMI出力端子 を装備。
前面にあるSDカードスロットもUHS-1 SDR 50から UHS-I SDR104となって理論上の最高104MB/sのデータ転送が可能になっている。
「VAIO S15」のディスプレイは、15.5インチ大画面には、グレアパネルの「タッチパネル搭載」と、アンチグレア仕様の「タッチパネル非搭載」の選択が可能。
実は、地味に気づきにくいところだけれど、「VAIO Fit 15E | mk2」は「タッチパネル非搭載」にしてもグレアパネルだったために、タッチしないのにギラついた画面というビジネスではありえない仕様だったのでここはかなり真っ当になったと言える。
解像度は、フルHD(1920×1080ドット)とWXGA(1366×768ドット)の2択。
ここもまた「VAIO Fit 15E | mk2」はTNディスプレイだったものから、「VAIO S15」のフルHD(1920×1080ドット)は広視野角液晶に変わり、左右で85度、上下80度に広がっている。(「VAIO Fit 15E | mk2」は、左右45度、上20度、下45度)
他にも細かくみると、Wi-Fiは、IEEE 802.11a/b/g/n/ac準拠、5GHz帯の高速Wi-Fi規格の11acに対応。
大型BOXスピーカーをフロント左右に2つとサブウーファーも搭載して、ノートPCでも迫力のサウンドを再生する。
キーボードについては、残念ながら「VAIO Z」や「VAIO S13」にある静音性のあるキーボードではないものの、19mmという余裕のあるキーピッチと、テンキーを備えて、デスクトップ環境として快適に入力できるという利点もある。
「VAIO S11」から採用された防汚コーティングもされていないけれど、「VAIO S15」にはキーボードウェアで対策できるという逃げ道もある。
また、「VAIO S13」同様に、Windows7の選択肢、TPM専用チップ搭載してのセキュリティ性、S4/S5ステートからの起動可能な「Wake On Lan」、BIOSからのポートやスロットのオンオフ、そして物理的な盗難防止用のケンジントンロックといったB2B要件で必要とされる最低限のものはクリアされているのも一つの特徴。
「VAIO S15」のカラーバリエーションは、ブラック、ホワイト、ピンク、シルバーの4色展開。
新色のシルバーカラーは「VAIO S13」と同じく【S Line】の証としてVAIOのコーポレートカラーとしての「勝色」が含まれている。
「勝 色」というと深い蒼い色からだんだんと明るいシルバーに変化していくまでの多数のカラーサンプルから選ばれたこのシルバーは、光の当たり具合によっ て「勝色」の色味が見えてくるというカラーに仕上がっている。
従来のカラーテイストとして、ホワイトとピンクはどちらかというと柔らかいカラーだった事もあって、ブラックに加えてシルバーという引き締まったカラーリングをチョイスできると選択肢の幅も広がる。
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VAIO S15
ビジネス&クリエーション オールインワン
ソニーストア販売価格:89,800円(税別)~
この予想外なまでのプロセッサー、メモリー、ストレージのハイスペック化はまさに今のVAIOのラインナップにはとても欲しかったモデル。
ただ、「VAIO Fit 15E | mk2」からのマイナーチェンジということはわかっちゃいるものの、惜しむらくはディスプレイに超高解像度、オーバーフルHDのディスプレイの選択肢がないこと。
【Z Line】の「VAIO Z Canvas」 や「VAIO Z」には既に超高解像度ディスプレイを選択できるようになっているし、せっかく「VAIO S15」がここまでハイパフォーマンスなモデルになるなら、15.5インチという大画面を活かして、オーバーフルHDのディスプレイの選択肢が欲しかった。
まぁ、1枚ディスプレイを用意して本体とあわせてツインディスプレイで使えばいいじゃんとも思うのだけど、やはり欲目がでてしまう。
とは言え、長らく続いた「VAIO Fit 15Eシリーズ」の、やっぱりエントリーだよねーというモノから一変して、このスペックなら自宅用の古くなったメインマシンを入れ替えようかなという気持ちにもさせられるんじゃないかと。
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VAIO Z フリップモデル / クラムシェルモデル
ビジネスマスターピース
※2月16日(火)9時受注開始予定
・強烈なパフォーマンスと超高速スピードを手に入れて、フリップ/クラムシェル2つのスタイルを持つ「VAIO Z」(前編)
・強烈なパフォーマンスと超高速スピードを手に入れて、フリップ/クラムシェル2つのスタイルを持つ「VAIO Z」(後編)
“ソニーが基本的に好き” LIVE(2016年1月30日深夜配信分):Youtube
・Skylake搭載の新VAIO登場!「VAIO Z、VAIO S13、VAIO S15」の話。
開始22分頃~1時間45分頃
・自社PCを今こそVAIOに!ビジネス要件を満たすハイパフォーマンスなモバイルPC「VAIO S13」
・第6世代Core H クアッドコアCPU、メモリー16GB、「SSD+HDD」デュアルドライブと、デスクトップPC並のパフォーマンスを備えた「VAIO S15」
・11.6インチサイズで究極のツールとなる「VAIO S11」をねっとりレビューしよう。(プロローグ編)
・11.6インチサイズで究極のツールとなる「VAIO S11」をねっとりレビューしよう。(外観と剛性、インターフェース編)
・11.6インチサイズで究極のツールとなる「VAIO S11」をねっとりレビューしよう。(ディスプレイ、LTEモデム編)
・11.6インチサイズで究極のツールとなる「VAIO S11」をねっとりレビューしよう。(パフォーマンス編)
・11.6インチサイズで究極のツールとなる「VAIO S11」をねっとりレビューしよう。(ベンチマークテスト編)
・クラムシェルタイプのノートPCとして圧倒的に完成度が高い「VAIO Pro 13 | mk2」(その1)
・クラムシェルタイプのノートPCとして圧倒的に完成度が高い「VAIO Pro 13 | mk2」(その2)
・他を凌駕するパフォーマンスを封じ込めるモンスタータブレットPC「VAIO Z Canvas」(開梱編)
・他を凌駕するパフォーマンスを封じ込めるモンスタータブレットPC「VAIO Z Canvas」(外観と使い勝手編)
・他を凌駕するパフォーマンスを封じ込めるモンスタータブレットPC「VAIO Z Canvas」(パフォーマンスと信頼性編)
・他を凌駕するパフォーマンスを封じ込めるモンスタータブレットPC「VAIO Z Canvas」(CPUとグラフィックのベンチマーク編)
・他を凌駕するパフォーマンスを封じ込めるモンスタータブレットPC「VAIO Z Canvas」(メモリーとストレージ編)
・他を凌駕するパフォーマンスを封じ込めるモンスタータブレットPC「VAIO Z Canvas」(SDカード転送速度編)
・モバイルPCにもデスクトップPCにもなれる圧倒的パフォーマンスのモンスタータブレットPC「VAIO Z Canvas」
・六本木ヒルズ内”Hills Cafe/Space”に期間限定で「VAIO Cafe」誕生、そしてさらに【VAIO meeting 2015 #2】を開催!
・長野県安曇野にある「VAIOの里」と呼ばれるVAIO本社で工場見学してきたよ。
・安曇野VAIOの本気、MONSTER PC 「VAIO Z」をいじり倒したい。(開梱編)
・安曇野VAIOの本気、MONSTER PC 「VAIO Z」をいじり倒したい。(外観編)
・安曇野VAIOの本気、MONSTER PC 「VAIO Z」をいじり倒したい。(パフォーマンス編)
・安曇野VAIOの本気、MONSTER PC 「VAIO Z」をいじり倒したい。(基本ベンチマークテスト編)
・安曇野VAIOの本気、MONSTER PC 「VAIO Z」をいじり倒したい。(3Dグラフィックス系ベンチマーク編)
・安曇野VAIOの本気、MONSTER PC 「VAIO Z」をいじり倒したい。(バッテリーライフ編)
・安曇野VAIOの本気、MONSTER PC 「VAIO Z」をいじり倒したい。(過酷なバッテリーベンチマーク編)
・安曇野VAIOの本気、MONSTER PC 「VAIO Z」をいじり倒したい。(冷却ファン音/発熱テスト編)
ダマされちゃいけない、MONSTER PCの名を持つ安曇野産「VAIO Z」の真実。
・「My Sony Club」と「週アス(3/3号)」に、新VAIO Zの開発秘話たっぷり。
MONSTER TABLET PC “VAIO Z Canvas”
ソニーストア販売価格:249,800円(税別)~