4K/60p HDR 録画が可能な ポータブルデータトランスミッター「PDT-FP1」の外部モニターアプリの仕様を調べてみた。
ソニーのポータブルデータトランスミッター「PDT-FP1」のアップデートにより、「外部モニター」アプリに録画機能が追加された。
ただし、公式には詳細な説明がなくその録画の仕様が不明。
そこで、どのクオリティで録画データがバックアップできるのか?を調べてみた。
録画設定などは、下記記事を確認してもらえるとわかりやすい。
ポータブルデータトランスミッター「PDT-FP1」に待望のバックアップ録画アップデート(Ver.67.1.G.2.39)。「外部モニター」アプリからHDMI 4K/60P HDR 録画が可能に!
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目次
●PDT-FP1 「外部モニター」アプリの録画機能の仕様をさぐる
Xperiaの外部モニターアプリと機能は共通
ポータブルデータトランスミッター「PDT-FP1」に新たに追加された「外部モニター」アプリの録画機能は、HDMI端子もしくはUSB端子に接続したカメラの映像をバックアップとして録画できる。
「外部モニター」の[モニターモード]のさいに、右下に録画ボタンが追加されている。
公式には、以下の制限も記載されている。
・録画とストリーミング機能の同時使用はできません
・最大録画時間は6時間です
・録画映像は本機の内部ストレージに保存されます。SDカードへの保存はできません
・フレームレートが24fps未満の映像や解像度が1080p未満の映像は録画できません
録画は[モニターモード]、ストリーミング機能は[ストリーミングモード]と機能をわけているため同時利用できない。
最大録画時間が6時間となっているのは、ストレージ容量もしくはバッテリー容量を考慮したさいの最大時間を目安にしていると思われる。
録画映像の保存先が内部ストレージに限定されているのは、安定して録画するため。
ストレージに録画した映像は、保存した後にSDカードにデータをコピーすることはできる。
フレームレートや解像度の制限の理由については不明なものの、一般的な動画形式のサイズ以上となっている。
これらの仕様は、Xperiaに備わる「外部アプリ」の録画機能と共通。
HDMI入力端子搭載で4K 60p HDRの高品質な映像が録画可能に
「PDT-FP1」の最大の特徴は、標準のHDMI Type A端子を備えていること。
XperiaはUSB端子しか備えないため、USBストリーミングによる映像の取り込みしかできない。
USBストリーミングでも4K 60p映像の取り込みはできるとはいえ、”USBストリーミングで4K60p映像を出力できる機器”がほぼ存在しない。
そのため、USBストリーミングでのバックアップ録画は、主に1920×1080(フルHD) 60pまたは30pの映像を取り込むのが現実的。
けれど、「PDT-FP1」の最大3840×2160(4K) 60pまで対応(YCbCr 4:4:4/4:2:2/RGB)するHDMI端子から映像を録画できる。
※後述するけれど、実際に記録される動画ファイルのビデオコーデックはカラーサンプリング4:2:0のファイルとなっていた。
テストしてみたところ、バックアップ録画は4K 60pにとどまらず、HDR映像の入力にも対応していた。
”4K 60p HDR の映像を録画できるモバイルキャプチャーデバイス”は、プロ向けの機器でもかなり高額なタイプばかり。
そう考えると、カメラの4K 60p HDR映像 を録画できるという点においてはXperiaにはない「PDT-FP1」の大きなアドバンテージと言える。
4K 60p HDR 録画動画の仕様はどうなっている?
カメラのHDMI端子から出力された映像を、「PDT-FP1」のHDMI端子に入力された映像を録画するさいの動画クオリティが実際どの程度の品質なのか?
カメラの設定と同じクオリティで録画されるのか、もしくは「PDT-FP1」独自の録画データになるのかを知りたい。
という事で、カメラ側で録画する設定を4パターン決めてみた。
<カメラ側の設定>
・4K60p 「200M 4:2:2 10bit」 PP10(HLG)
・4K60p 「150M 4:2:0 8bit」 PP10(HLG)
・4K60p 「200M 4:2:2 10bit」 PPオフ
・4K60p 「150M 4:2:0 8bit」 PPオフ
今回の撮影機材は、α7R V。
記録方式・フレームレートは共通して4K 60pに。
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そこから、記録設定を「200M 4:2:2 10bit」と「150M 4:2:0 8bit」、ピクチャープロファイルをHDR動画を撮影するときに使う「PP10(HLG)」とそれ以外(PP)の場合で組み合わせて4通パターンで撮影してみた。
これらカメラ側の設定の時に、「PDT-FP1」でバックアップ録画したファイル形式が変化するのか?
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録画された動画ファイルの設定や形式を確認するために、「Adobe Premiere Pro」と「Davinci Resolve」の動画編集ソフトに取り込んでチェックしてみた。
※それぞれ確認できるパラメータの違は情報を統合している。
以下が、「PDT-FP1」に記録された録画データの情報になる。
※赤字はカメラ側と同じ、青字はカメラ側と異なる設定。
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●カメラ側の設定
4K60p 「200M 4:2:2 10bit」 PP10(HLG)
●「PDT-FP1」の録画データ
画像のサイズ : 3840 x 2160
フレームレート : 57.21(可変フレームレート)
ソースのオーディオ形式 : 48000 Hz – 圧縮 – ステレオ
プロジェクトのオーディオ形式 : 48000 Hz – 32 ビット浮動小数 – ステレオ
カラースペース:Rec. 2100 HLG
ビデオコーデックタイプ : HEVC 10 bit 4:2:0
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●カメラ側の設定
4K60p 「150M 4:2:0 8bit」 PP10(HLG)
●「PDT-FP1」の録画データ
画像のサイズ : 3840 x 2160
フレームレート : 59.37(可変フレームレート)
ソースのオーディオ形式 : 48000 Hz – 圧縮 – ステレオ
プロジェクトのオーディオ形式 : 48000 Hz – 32 ビット浮動小数 – ステレオ
カラースペース:Rec. 2100 HLG
ビデオコーデックタイプ : HEVC 10 bit 4:2:0
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●カメラ側の設定
4K60p 「200M 4:2:2 10bit」 PPオフ
●「PDT-FP1」の録画データ
画像のサイズ : 3840 x 2160
フレームレート : 59.62(可変フレームレート)
ソースのオーディオ形式 : 48000 Hz – 圧縮 – ステレオ
プロジェクトのオーディオ形式 : 48000 Hz – 32 ビット浮動小数 – ステレオ
カラースペース:Rec. 709
ビデオコーデックタイプ : HEVC 4:2:0(8bit)
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●カメラ側の設定
4K60p 「150M 4:2:0 8bit」 PPオフ
●「PDT-FP1」の録画データ
画像のサイズ : 3840 x 2160
フレームレート : 59.50(可変フレームレート)
ソースのオーディオ形式 : 48000 Hz – 圧縮 – ステレオ
プロジェクトのオーディオ形式 : 48000 Hz – 32 ビット浮動小数 – ステレオ
カラースペース:Rec. 709
ビデオコーデックタイプ : HEVC 4:2:0(8bit)
PDT-FP1外部モニターアプリ録画仕様
「PDT-FP1」に録画された動画ファイルは、共通して以下のような設定になっていることがわかる。
・カメラの録画設定(4:2:2 or 4:2:0)に関係なく、「PDT-FP1」の録画ファイルのカラーサンプリングは4:2:0で固定
・HDRの場合は、カラースペースRec. 2100 HLG、ビット深度10bit
・SDRの場合は、カラースペースRec. 709、ビット深度8bit
仮に、カメラで録画した動画ファイルが 4:2:2 10bitだった場合、「PDT-FP1」の録画ファイルでは 4:2:0 10bit or 8bitとなるため、厳密には画質の違いがある。
ここは純粋な専用機(ATOMOS NINJA やATOMOS SHOGUN )のようなカメラからのRAW出力を収録できるほどの性能があるわけではない。
と言いつつも、プロキシー動画や、フルHDのバックアップ動画と比べて圧倒的な高画質で保存できるとすると考えれば必要十分なクオリティとも言える。
しかも、モニターとバッテリー、通信機能、ストレージ全てを兼ね備えてかつ軽量に取り回せるのは「PDT-FP1」ならではのアドバージだと言える。
これでついに「PDT-FP1」の本領発揮!と言いたいところだけれど、つっこみどころがあるとすれば「外部モニター」アプリのバージョンが、Xperiaよりも若干古いこと。
Xperia 1 VI やXperia 1 V の「外部モニター」アプリ(最新版)では、HDMIケーブルをつないでいない状態でも設定の変更ができるけれど、「PDT-FP1」ではそれができない。
また、はスピーカーのアイコンをタップするだけでミュートのオンオフができるけれど、「PDT-FP1」は、音声の出力先を変更したい場合は設定画面を開かないといけない。
ささいなところではあるけれど、操作性に大きく影響するのでこのあたりも早急に対応して欲しい。
「Xperia 1 VI」と「Xperia 1 V」の実機で徹底検証!フルHD+とアスペクト比19.5:9 ディスプレイのメリット・デメリットをきちんと把握しよう。
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