「VAIO Z」のNVMe採用第3世代ハイスピードSSDの性能は実用としてのアドバンテージがあるのか?を探ってみる。
・「VAIO Z」の選択肢として追加された NVMe対応 第3世代ハイスピードSSDの性能を、各世代SSDと比較してみる。
「VAIO Z」のストレージに採用されている、NVMeに対応した第2世代ハイスピードプロSSD(PCIe Gen.3接続)と、同じくNVMeに対応してかつ第3世代ハイスピードプロSSD(PCIe Gen.3接続)の単純なベンチマークをやってみたけれど。
ここまで来ると、その差がどのくらい仕事効率に貢献してくるかがわかりにくいなーと思って、もうちょっと詳しく調べてみたくなった。
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●NVMe採用第3世代ハイスピードSSDの性能は実用としてのアドバンテージがあるのか?を探る。
シンプルなSSDのみのスピードだけだと数値上での自己満足に終わりそうなので、もうちょっと実用に近づけてPCの総合的なパフォーマンスを計測するベンチマークソフト「PCMark8(Basic Edition)」で違いがでるかを計測。
<共通スペック>
CPU : Intel Core i7-6567U(3.3GHz) TDP 28W
メモリー : 16GB
グラフィック : Iris Graphics 550
2種類の「VAIO Z」で、NVMe採用第2世代ハイスピードプロSSD(PCIe Gen.3接続)と、NVMe採用第3世代ハイスピードプロSSD(PCIe Gen.3接続)の違いのみでの比較をしてみる。
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●Home ACCELELRATOR
「VAIO Z(2016年モデル)」
第3世代ハイスピードプロSSD (NVMe PCIe Gen.3(32Gb/s)接続 )
Test duration 34 min 10 s
Web Browsing – JumglePin 0.31 s
Web Browsing -Amazonia 0.13 s
Writing 3.45 s
Casual Gaming 56.2 fps
Video Chat playback 1 30.0 fps
Video Chat playback 33.0 ms
Advanced Photo Editing 0.18 s
「VAIO Z(2016年モデル)」
第2世代ハイスピードSSD (NVMe PCIe Gen.3(32Gb/s)接続 )
Test duration 35 min 07 s
Web Browsing – JumglePin 0.32 s
Web Browsing -Amazonia 0.14 s
Writing 4.48 s
Casual Gaming 56.1 fps
Video Chat playback 1 30.0 fps
Video Chat playback 33.0 ms
Advanced Photo Editing 0.19 s
まず、最初の低価格帯のタブレット・ノート・デスクトップPC向けの「Home ACCELELRATOR」。
Webブラウジングや写真編集のスピードは誤差程度で、ライティング(書き込み時)には約1秒ほどの差が出ている。
一番の違いは、結果としてテスト全体の完遂時間に、約1分ほどの違いが現れていること。
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●Creative ACCELELRATOR
「VAIO Z(2016年モデル)」
第3世代ハイスピードプロSSD (NVMe PCIe Gen.3(32Gb/s)接続 )
Test duration 50 min 16 s
Video To Go part1 5.23s
Video To Go part2 8.28 s
Web Browsing – JumglePin 0.31 s
Web Browsing -Amazonia 0.13 s
Music To Go 15.2 s
Mainstream Gaming part1 17.3 s
Mainstream Gaming part2 8.71 s
Video Group Chat playback1 30.0 fps
Video Group Chat playback2 30.0 fps
Video Group Chat playback3 30.0 fps
Video Group Chat encoding 33.3 ms
Advanced Photo Editing part1 0.18 s
Advanced Photo Editing part2 12.6 s
Video Editing 4k part1 8.7 s
Video Editing 4k part2 14.3 s
「VAIO Z(2016年モデル)」
第2世代ハイスピードSSD (NVMe PCIe Gen.3(32Gb/s)接続 )
Test duration 50 min 43 s
Video To Go part1 5.05s
Video To Go part2 8.55 s
Web Browsing – JumglePin 0.32 s
Web Browsing -Amazonia 0.14 s
Music To Go 15.2 s
Mainstream Gaming part1 17.1 s
Mainstream Gaming part2 8.65 s
Video Group Chat playback1 30.0 fps
Video Group Chat playback2 30.0 fps
Video Group Chat playback3 30.0 fps
Video Group Chat encoding 34.3 ms
Advanced Photo Editing part1 0.19 s
Advanced Photo Editing part2 12.9 s
Video Editing 4k part1 9.0 s
Video Editing 4k part2 14.7 s
次に、ミドルレンジ向けのPC向けの「Creative ACCELELRATOR」。
やはりWebブラウジングや写真編集に若干の差があるとはいえスピードは誤差レベルで、さすがに0.01~0.03秒は体感では感じられない。
ただ、その微妙な差の蓄積がスコアに反映しているのは間違いない。
テスト全体の完遂時間に関しては約50分に対して、2者間での差は約27秒。
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●Work ACCELELRATOR
「VAIO Z(2016年モデル)」
第3世代ハイスピードプロSSD (NVMe PCIe Gen.3(32Gb/s)接続 )
Test duration 27 min 03 s
Web Browsing – JumglePin 0.31 s
Web Browsing -Amazonia 0.13 s
Writing 3.44 s
Video Chat playback 1 30.0 fps
Video Chat playback 33.0 ms
Libre Office Clac 2.93 s
「VAIO Z(2016年モデル)」
第2世代ハイスピードSSD (NVMe PCIe Gen.3(32Gb/s)接続 )
Test duration 27 min 45 s
Web Browsing – JumglePin 0.32 s
Web Browsing -Amazonia 0.14 s
Writing 4.52 s
Video Chat playback 1 30.0 fps
Video Chat playback 33.0 ms
Libre Office Clac 2.89 s
オフィスのPC向けの「Work ACCELELRATOR」。
「Home ACCELELRATOR」と同じく数値上ではほぼ誤差レベルで、やはりライティング(書き込み時)には約1.1秒ほどの差が出ている。
テスト全体の完遂時間の差はトータルで27分の作業で約42秒もの違いが生まれていた。
<テスト結果の感想>
さすがにNVMeという土俵にのっかって、第2世代ハイスピードプロSSD(PCIe Gen.3接続)と第3世代ハイスピードプロSSD(PCIe Gen.3接続)のだけの差を目に見える形でベンチマークテストで見出すのは無理があったかなと思いつつも、精度を上げるために同テストを数回繰り返し。
そこでピーンと気づいたのが、個別の細かい差よりも、ベンチマークテスト自体を走らせて終わるまでの時間にきちんと差がでていたこと。
そもそも、爆速前提の2機種ではすでに感覚がマヒしてっているので、2015年モデルの「VAIO Z」と「VAIO Pro 13 | mk2」 で計測したスコアをおさらいしてみよう。
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VAIO Z 「VJZ13A1」
CPU : Intel Core i7-5557U(3.1GHz) TDP 28W
メモリー : 8GB
ストレージ : 第2世代ハイスピードSSD (PCIe 20Gb/s) 約256GB
グラフィック : Iris Graphics 6100
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VAIO Pro 13 | mk2 「VJP1321」
CPU : Core i7-5500U (2.40GHz) TDP 15W
メモリー : 8GB
ストレージ : ハイスピードSSD (PCIe) 約128GB
グラフィック : Intel HD Graphics 5500
どちらの機種もまだ発売から2年しか経過しておらず、PCIe接続のハイスピードSSDを搭載させたモデル。
わかりやすいところとして、「Home ACCELELRATOR」のテスト完遂時間を比較すると以下のように。
1.) VAIO Z(2016年)第3世代ハイスピードプロSSD(NVMe PCIe Gen.3)
34分10秒
2.) VAIO Z(2016年)第2世代ハイスピードSSD (NVMe PCIe Gen.3)
35分7秒 (※53秒)
3.) VAIO Z (2015年)第2世代ハイスピードSSD(PCIe Gen.2)
35分45秒 (※1分35秒)
4.) VAIO Pro 13(2015年)第1世代ハイスピードSSD( PCIe )
36分20秒 (※2分10秒)
※1)との時間差。
約30分の仕事量にたいして1分や2分の差とはいえ、蓄積するとその時間は大きくなのはもちろん、外出先(出張先)で作業をしている時の1分や2分はかなり貴重なもの。
あくまでも比較結果でしかないけれど、CPUやメモリーも含めて数年前のモデルからすると、トータルの時間差はもっと広がると考えると、レスポンスを欲している人にとっては、高速なSSDを選ぶことのメリットは大きいようにも思える。
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●負荷時のSSDの発熱推移をモニタリングしてみる。
「VAIO Z」に採用されているSSDは、仮に512GBでは、第2世代ハイスピードプロSSD(PCIe Gen.3接続)がSamsung製「MZVPV512HDGL」、第3世代ハイスピードプロSSD(PCIe Gen.3接続)が、Samsung製の「MZVKW512HMJP」。
世代が新しくなったことで、スピード以外にも、より低発熱になったというもので、こちらも無料アプリのCPUID「HWMonitor」で追いかけてみた。
(左:第2世代ハイスピードプロSSD 右:第3世代ハイスピードプロSSD )
起動した後からアイドリング時、ほぼSSDにアクセスが行われていない状態では、第2世代ハイスピードプロSSDは、最低温度は約33~35℃。
第3世代ハイスピードプロSSDは、最低温度は約27~35℃。
モニターし続けてみた結果としては、SSDに大きなアクセスが発生しない限りはたとえ作業をしていたとしても大きく変化せず。
(左:第2世代ハイスピードプロSSD 右:第3世代ハイスピードプロSSD )
そこで、ベンチマークソフト「CrystalDiskMark」のように、ストレージのデータ転送負荷がかかっている場合をチェック。
すると、第2世代ハイスピードプロSSDは、大きく熱が上がり最高温度約59℃にまで達した。
一方で、第3世代ハイスピードプロSSDでは、最高温度は48℃以上超えることはなく、非常に低発熱で動作することがわかった。
じゃあこれが大きく影響するかというと、このベンチマークテストを行っている時の特定された時間のみで、「PCMark8(Basic Edition)」を走らせている時にここまで温度が上昇することはまったくといっていいほどなかった。
極端な話、延々と長時間にわたってストレージに書き込みと読み込みをし続ける状態が続くとかでなければ、全体的な影響、例えば冷却ファンが回り続ける時間や、バッテリーを消費がかわってくるといった影響はほぼ軽微だと思われる。
違いとして知りたかったことがわかって納得。
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●カスタマイズの5,000円の差をどうとらえるか。
VAIO Z フリップモデル / クラムシェルモデル
ビジネスマスターピース
ソニーストア販売価格:156,800円(税別)~
第2世代ハイスピードプロSSD
128GB・・・ ベース価格
256GB・・・ +20,000円(税別)
512GB・・・ +60,000円(税別)
第3世代ハイスピードプロSSD
128GB・・・ +5000円(税別)
256GB・・・ +25,000円(税別)
512GB・・・ +65,000円(税別)
1TB ・・・ +125,000円(税別)
びっくりするほどの性能差が生まれるわけではないけれど、ちょっぴり性能アップと負荷時に低発熱ということはわかったうえで、カスタマイズするさいの価格差は5,000円なので、ここに価値が見いだせれば第3世代ハイスピードプロSSDをチョイスしても良いかもしれない。
また、1TBは第3世代ハイスピードプロSSDのみとなるので注意しよう。
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