ソニー・ミュージックスタジオでの「WH-1000XM6 リリースイベント」で、 ワイヤレスノイズキャンセリングステレオヘッドセット1000Xシリーズの進化を目の当たりにする。
5月16日(金)、ソニー・ミュージックスタジオで行われた「WH-1000XM6 リリースイベント」に参加することができた。
ソニーミュージックスタジオと言えば、著名なアーティストがレコーディングを行う伝説の聖地。
乃木坂駅、六本木駅からも至近距離にあって、たぶん訪れたのは3度目ではあるのだけれど、テンション高めに会社の外観を写真撮ろうとしたらいきなり制止されてしまった。
そう、ここはセキュリティ高き神聖なる場所。
秘密保持もあってSNSに安易に画像をアップして良いわけがない。
・音楽制作現場のサウンドエンジニアと共創し、アーティストの意図する音を届けるワイヤレスヘッドホン『WH-1000XM6』発売~新開発のプロセッサーにより、さらに進化した世界最高クラス※1のノイズキャンセリング性能を実現~
・1000Xシリーズ WH-1000XM6 WF-1000XM5 コンセプトサイト | ヘッドホン | ソニー
・WH-1000XM6 | ヘッドホン | ソニー
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目次
ソニー・ミュージックスタジオでの「WH-1000XM6 リリースイベント」
地下3階に通されて、第1スタジオに入室。撮影できるのはこのスタジオ内のみ。
スタジオは強固な遮音と制振特性が特徴で、総重量250トンにも及ぶコンクリートの要塞。地上のスタジオでは成し得ない音へのこだわりがここにある。
レコーディングスタジオで シンガーソングライターのkucchiさんによる本番さながらのデモンストレーション体験
もちろん主役は「WH-1000XM6」であることには変わりないけれど、まず最初はレコーディングスタジオ1でスペシャルなデモンストレーションを体験することができた。
シンガーソングライターのkucchiさん、音楽プロデューサー 江口亮氏を迎えて、実際の録音のデモンストレーションを生で視聴することに。
隣のブースにいるKucciさんの近くにどうぞと案内され、他の人をさしおいてたった一人でガラス越しぎりぎりまで近づいて特別席状態。
披露していただいたのは、「Aimer – カタオモイ」のカバーと、映画「女神降臨」に楽曲提供したの劇中歌「特別なんて」のセルフカバー、そしてデビューシングル「ときめき」の3曲。
もう心鷲掴みですよ。
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眼前で歌っている姿を目に焼き付けて、メインスピーカーから流れる歌声を耳に染み込ませ、さらにはミキサー卓に座る江口さんが間近にいるという、いつもの生きている空間とはあまりにも違うシチュエーション。
弾き語りで使用したギターがおいてある収録ブースも見学させてもらって、特別すぎる時間を味わって、あやうく本来の目的を見失いそうになるほどだった。
・水野良樹(いきものがかり)&江口亮(音楽プロデューサー) meet WALKMAN®
ソニー「ウォークマン®NW-A105」「ヘッドホンMDR-1AM2」「ワイヤレスヘッドホンWH-1000XM4」|音楽ナタリー
「WH-1000XM6」設計者座談会&体験
そしてこの後に、WH-1000XM6の発表を記念しての設計者による座談会が本番。
今回お話をいただいたのは、音響設計:出井氏、ノイズキャンセリング:伊藤氏、立体音響360:山嶋氏、本体デザイン:隅井氏の4名。
後に、kucchiさん、江口亮氏も再度参加してのトークショーとなった。
まず、言えば初代のWH-1000Xシリーズから使い続けている事もあって、ソニーのワイヤレスヘッドホンのフラッグシップモデルの進化は見届けているつもり。
しかも、すでにWH-1000XM6の実機は触っていて一通りは把握している、理解しているそう思っていた。
この設計者座談会ととおもに体験するまでは。
デザインの進化、携帯性と自然な使い勝手
もしもWH-1000XM6を使っていて、”あまりにも普通じゃない?”と思ったとすると、それこそが進化の先にある。
一連の動作からすると、まずそもそも小さく折りたたまっていること小さく持ち運べること。
そのケースから取り出して持ち替えなくてもさっとつけられる、頭につけるまでが当たり前に自然にできる。
デザイン:隅井氏曰く、コレを目指したと。
前モデルの「WH-1000XM5」はサイレントを目指すために折り畳みをなくし、本体デザインもいかに削ぎ落とすか、シンプルにするかと徹底した。
その代わりの弊害として、左右がわかりづらい、ボタンが押しづらいという意見もあった。
そこで全面的に見直された「WH-1000XM6」は、まずケースから取り出すところからマグネット式で片手でも開け閉めできる。
ちいさく折りたたまれた本体を取り出して、頭に付けるときにどっち向きだっけ?とならないようにアシンメトリーなデザインとなったことで迷いなく装着できる。
左右の内側にL/Rの刻印はあってそこから確認できるのは従来どおりだけど、ヘッドバンドの形状を一目みれば瞬時に前と後ろを判断できるので動作に無駄がない。
電源ボタンもNCボタンもを手探りで瞬間に判断できるし、首にかけた時にハウジングを表になるようになっているなど改良が細かい。
劇的に進化したノイズキャンセリングと、あまりにも自然な外音取り込み
ノイズキャンセリングで周囲の雑音が消えるという行為は、初代1000Xシリーズから体現してきたもので、モデルをおうごとに進化している。
最初からノイズが消えていると、それが良くなってもある意味買い替えの動機にまではつながらないかもしれない。
ところが今回は目に見えて物理的にマイクが12コも付いている。(1000XM5でさえ8コ)
8コのフィードフォワードマイクはまわりの環境音、4コのフィードバックマイクは耳付近の音を拾う役割。
そのうえ、処理性能という機器オタクとしては大好物のプロセッサーは超進化。
1000XM5比ですら、統合プロセッサーV1はV2に、高音質ノイズキャンセリングプロセッサーやQN1から2を飛ばしてQN3。
マイクが増えるとそれは環境から得られる情報量が格段に増えるけれど、その情報量をリアルタイムに処理できなければ何の意味もない。
世代を一つ飛ばすして、「すごい…5倍以上(7倍)の処理性能がある…」これを口に出して言える。
そして今までは音に対して処理を行っているものから、QN3は急激な音の変化に対して反応できる”先読み型 ノイズシェーバー”による応答性。
まさに「先読みのQN3」なのである。
3年沈黙していた進化は、研究開発と半導体設計、商品設計の3つの部門が協業して生み出された大きな成果というどこかの宇宙世紀の話を聞いているようなムネアツ展開になっている。
ノイズキャンセリング性能というとただ消すという事だけに注力しているように思えるけれど、それは単純に耳栓する方向にしてしまえば良いのか?という話。
耳に不快感なく、脳に不快感なくいかに自然にノイズが日常から消え去って聴きたい音に没入できるかが大切。
たとえそうだとしても、ノイキャンんなんてそこそこ消えてくれればいいやと思う人もいるかもしれない。
本当の凄さは、ノイズズキャンセリングを極めつつも周囲の音も聞ける「アンビエントサウンド(外音取り込み)モード」。
「WH-1000XM5」でもそれより以前のモデルから比べると随分と自然に外の音が取り込めるようになっていた。
けれど、「WH-1000XM6」は、外音取り込みの音が恐ろしいほどに自然なこと。
わかりやすく言うと、この外音取り込みの状態で、普通に会話できるくらいになっている。
今まではマイクを通ってるなという意識があったうえでの取り込みよくなったねという基準が、おいもう着けなないくらいに自然じゃね?と言っても過言でないくらい。
ここに加えて、通話品質も段違いに良くなっている。
耳についているので口元は遠いけれど、ビームフォーミングアルゴリズムとAIノイズリダクションアルゴリズムで、ちゃんと自分の声をキャッチしてくれる。
周囲がざわざわしていても、一緒に消し去る事なく自分の声を抽出して通話できる。
最近はテレワークで通話することが増えたこともあって、ここがイライラすると使い物にならないと思ってしまうだけに、この改善はかなり嬉しい。
極める音質、マスタリングエンジニアとの共創とは?
音質について、「WH-1000XM6」のテーマは、「~サウンドエンジニアとの共創~」。
ティザーでもこれを重きに置いていて、でもそれは何?とちょっと面倒で深く掘り下げることをせずにいた。
ところが今回、ソニーミュージックスタジオに来た意味がここにあると言っても良い。
開発陣の方から説明を受けて、そのサウンドエンジニアの錚々たるメンバーを理解して今更に凄いことだなと。
ランディ・メリル氏(Sterling Sound)
グラミー賞を複数回受賞
アリアナ・グランデ、テイラー・スウィフト、エド・シーラン、アデル、
ジョン・メイヤー、ジェームス・ブレイク、オリビア・ロドリゴ、グレイシー・エイブラムス
クリス・ゲーリンジャー氏(Sterling Sound)
グラミー賞ノミネート
リアーナ、レディー・ガガ、グラス・アニマルズ、ケリー・クラークソン
マライア・キャリー、バスタ・ライムス、BLACKPINK、BTS、Le Sserafim
マイケル・ロマノフスキ氏(Coast Mastering)
グラミー賞を複数回受賞
アリシア・キーズ、プリンス、ボニー・レイット、アース・ウィンド・アンド・ファイア
ケイン・ブラウン、スター・ウォーズ サウンドトラック(エピソード4,5,6)
マイク・ピアセンティーニ (Battery Studios)
グラミー賞ノミネート
ボブ・ディラン、デペッシュ・モード、ジョニー・マティス、ジェームス・ブラウン
Battery Studiosはソニーグループ内のスタジオで、それ以外は世界的に著名な音楽制作スタジオ。
これらのマスタリングエンジニアと実際に製品テストをして音質の調整を共同することで、アーティストの意図する音や表現を再現できる音質へとこだわり完成したのが「WH-1000XM6」だと。
エピソードとしては、サウンドエンジニアと最初面識が浅い段階では、これはイイね!くらいの抽象的な言葉しかくれなくて、何度もテストを繰り返して親密になればなるほど感想や要望を出してくれるようになったと。
正直なところ自分の耳のスペックはそう高くもないし、加齢にもあるし?ビジュアル化しづらい音について解像度高い言葉で表現できないところはごめんなさいではあるのだけれど、安定してこれは音質の良さは理解できるし、ボーカルや楽器の繊細な心地良さは感じることはできる。
無論それはノイズキャンセリングに下支えしてもらっていることも合わせて。
度肝を抜かれた「シネマモード」、立体音響が本当の意味でスタンダードになる。
そしてまだだ、まだ終わらんよ。
言ってみれば、ここまでは今までの延長線上の進化。
なるほど1000Xシリーズのなかで進化してきた納得感の中にある。
ところが、新しくそなわった「シネマモード」が衝撃をわずして何というのか!?
正式には、「360 Reality Audio Upmix for Cinema」。
やることはスマホアプリ「サウンドコネクト」で、「シネマモード」をタップするだけ。
これだけで、まるで映画館で聴いているような臨場感ある立体的な音場になる。
こう書くとそれって今までにも合ったじゃない?くらいな捉え方しかできないのだけど。
スマホのちいさな画面で映画を見ます。とても小さい画面。
到底迫力とはかけ離れたものでしかないはずなのに「シネマモード」にして「WH-1000XM6」で聴くと、音の臨場感が自分の周りをつつむ、もうこれは…映画館やー!ですよ。
ステレオの「スタンダード」で聴くと、うん…これでも迫力あるしいいんじゃ?と思う。
ここでもう一度「シネマモード」にする。
全然違う、まるで違う、感動がレベル振り切るくらいに凄い。
深夜テレビを観るにしてももうネックスピーカーいりませんよ。
夜はホームシアターシステムで爆音は出せないからヘッドホンでも…、いや違う、消去法ではなくてこれで聴きたい!が正しい。
NetflixもDisney+もPrime Videoも家の大画面BRAVIAで観るまでは我慢しなくちゃって、しなくてもスマホでも満足度のピークを味わえる。
どこでも映画館が完成してしまいましたよ。
この「シネマモード」のおかげで、「WH-1000XM6」を手にする価値は1.5倍くらいに跳ね上がるといっても過言ではないと思える。
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「WH-1000XM6」が欲しい、たとえ1世代前の1000Xシリーズを持っていても。
普段レビューを書くる際には、自分なりの感想を入れるにしてもなるべく極端に偏りすぎないようにと心がけているけれど、今回のこの特別イベントだけは感情を開放。
「WH-1000XM6」のレビュー(前後編)とは異なる、自分のたエモーションのままに書いているため見苦しい点はあるかと思いつつも、最終的には自分自身が本物を体験することにまさるものはなく。
ぜひ一度、ソニーストアで「WH-1000XM6」を視聴していただきたく、そしてその際には「シネマモード」を試すことを声を大にしていいたい。
「SONY ワイヤレスヘッドフォン WH-1000XM6」
一足先に試聴させていただきました 🎧✮
臨場感とはこのことかー!って体感したし、「シネマモード」で観た映画も音の再現度高すぎてバイクここにいますってなる、、
5/30 発売とのことです!!感動シェアしたい( ߹꒳߹ )
#ソニー #第6章始まる #PR https://t.co/rnav57iHVN pic.twitter.com/KJihv0a7rg— Kucci (@kucci_16) May 17, 2025
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●新型「WH-1000XM6」と現行「WH-1000XM5」の違いまとめ
ドライバーユニット
・WH-1000XM5専用設計30mmドライバーユニット⇒ボイスコイルボビン構造WH-1000XM6専用設計30mmドライバーユニット
統合プロセッサー
・統合プロセッサーV1⇒統合プロセッサーV2
リアルタイムノイキャン最適化処理が向上
高音質ノイズキャンセリングプロセッサー
・高音質ノイズキャンセリングプロセッサーQN1⇒QN3
QN1の7倍以上の処理速度
搭載マイク
・左右4個ずつマイク搭載(合計8個)⇒左右6個ずつマイク搭載(合計12個)
対応コーデック
・SBC, AAC, LDAC⇒SBC, AAC, LDAC,LC3(LE Audio)
ソニーのオーバーヘッドホンとして初めてLC3(LE Audio)に対応
通話性能
・左右4個のマイク⇒左右6個のマイクを使ったAIビームフォーミング
・ノイズリダクションAIも進化
・LE Audio使用時 スーパーワイドバンドに対応し通話品質向上
・本体ボタンによるマイクオンオフに対応
デザイン
・スイーベル機構⇒スイーベル+折りたたみ構造
・折りたたみ構造採用によりケースがコンパクト化
・キャリングケースの開閉機構がマグネット化
充電機能
・充電しながら使用可能に!
ながら充電時は充電速度が低速化
機能面
・5バンドイコライザー⇒10バンドイコライザー
・再生中の機器を停止しなくても再生切替可能
・音楽が遠くで流れているように聞こえるBGMモードを追加
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●1000Xシリーズヘッドホンラインナップ
ワイヤレスノイズキャンセリングステレオヘッドセット「WH-1000XM6」
ソニーストア販売価格:59,400円(税込)
●長期保証<3年ベーシック>付
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