グローバルモデル「Xperia Z3(D6603/D6653)」に、公式対応した”Android N” 開発プレビュー版をインストールしてみる。
今現在、Xperiaの主力モデルに、アップグレードが降りてきてるのはAndroid 6.0(Marshmallow)。
その最中でも、日々進化するOSはいつも新バージョンのテストが行われているもので、Googleは、2016年3月9日から次期Android新バージョンとなる「Android N」のDeveloper Previewをリリース。
こうした開発プレビュー版が提供されるのは、いつも決まって”Nexusシリーズ”に代表される特定の端末にのみで、今回もXperiaユーザーには関係ないかなと思っていたら、なんと4月21日に、SONYのグローバルモデルの「Xperia Z3(D6603/D6653)」に限り、最新の「Android N」のDeveloper Preview版を利用できるというリリースが!
どうして、「Xperia Z5」シリーズをすっ飛ばして、それより前の「Xperia Z3」なのか?というと、おそらく「Xperia Z3」以降のモデルから、次期Android OSをサポートするために選ばれたとも考えられる。
てことで、せっかくグローバルモデルの「Xperia Z3(D6653)」が手元にあるので試してみた。
※執筆中、5月20日時点で最新アップデート(Developer Preview 3)が公開されたので追記。
・Android N Developer Preview now updated on Xperia™ Z3 – Developer World
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●Xperia Z3に「Android N」を入れてみる。
・Try Android N Developer Preview for Xperia™ Z3
まぁ、問題といえば、AndroidのDeveloper Preview版のやりかたがよくわからず最初わけがわからず右往左往してしまったことくらい。
一般に、Developer Previewのインストールは、対象となるNexusシリーズなどでは、「Android Beta Program」にログインしてOTAでアップデートするというのがパターンのようで、じゃあと思って同様の手順で行ってみたものの、”対象のスマホはもってないでしょ!”と怒られて終了。
確かに対象機種としては、以下の機種しか載っていない様子。
- Nexus 6、Nexus 9、Nexus 5X、Nexus 6P、Nexus Player
- Pixel C
- General Mobile 4G(Android One)
・Xperia™ Companion for Windows
なんでだろう?と思いつつも、Sonyの海外サイトを翻訳しながら調べると、やりかたがおもいっきり丁寧に書かれていた。
「Xperia Companion」アプリを使ってやってねと…(;´∀`)
まず、Windows PCと「Xperia Z3」をUSBケーブルで接続して、「Xperia Companion」を起動。
これまた最初、「Xperia Companion」を見渡しても、どこにもDeveloper Preview版への道標がなくて戸惑てしまったけど、改めてwebサイトを読んでみると、メニュー画面にある「修復」というボタンを、キーボードの「Alt」キーを押しながら同時に押してねと。
すると、「Xperiaのソフトウェアの修復(Developer Previewモード)」なるものが現れて、あとはウィザードにしたがって進めていけば、アップデートと同じようにデータをダウンロードして「Xperia Z3」に転送してインストールという流れ。
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●「Android N」がどんなものか触ってみる。
そして、「Xperia Z3」が起動すると、初めてみるXPERIAロゴとそのディスプレイ下に、”N DEVELOPER PREVIEW”という文字が見えて、アップデートに成功しているのがわかる。
「Android N」の初期セットアップウィザードは非常にシンプルで、もう当たり前のように言語設定に日本語にできるので、簡単に終了。
出てきたホーム画面は、見事なまでにスッキリサッパリしていて、当然Xperiaらしき面影は何もなくなってしまっている。
ホームアプリを開いてみると、従来の横スクロールから縦スクロールに変化しているのがわかる。アプリもお約束でGoogle規定のものばかりに。
Androidのバージョンを確認すると、ズバリ”N”。なんてシンプル。
今までお菓子に由来したコードネームが続いてきてたけれど、まさに次の”N”で始まるコードネームを、Googleでは公募中。
Xperia Z3版でのバージョンは、4月下旬時点で初回リリースから2回目に出た「Developer Preview 2(以下DP2)」で、5月20日時点でさらに「Developer Preview 3(以下DP3)」へとアップデートしている。
ちなみに、隠しモードに、ドロイド君をタップしてゲートをくぐらせるというゲームがあったけど、激ムズすぎてすぐに断念(;´∀`)
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上からドロップすると、最初はよく使う5つの項目が現れて、そこからさらにドロップすると複数のクイック設定が現れる2段式。
このクイック設定のページも、左右の2ページ目まで登録できるようになったので、より多くの設定を配置できる。
それから、通知される設定も、通知バーからアプリごとに個別に通知の度合いを変更できるようになっている。
通知バーに現れる情報からすぐにリアクションがとれるというのもちょっぴり便利。
これは「Smart Watch3」とかAndroid Wearでもできていた機能がそのまま端末側でもできるようになっている。
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設定画面を開いてみると、パッと見た感じたいして変わっていなさそうで、どこの階層にいても左からスワイプしたらすぐにホームでもそれぞれの設定項目に飛ぶこともできるようになってて、あらコレは便利。
よく使う候補になる設定を最上位に表示するというのも新しい。(消しちゃったけど。)
スリープ中のバッテリーの消費を防ぐ「バッテリーセーバー」は、、Android 6.0(Marshmallow)にも備わった「Dozeモード」を改良したものらしく、より最適化される模様。
スリープ中のバッテリーの消費を防ぐ「データセーバー」は、バックグラウンドで動作するアプリの通信を抑えたり、通常使っているアプリのデータ通信料も個別に減らして節約といったこともできる。
ただし、残念ながらXperia独自に搭載されていた機能、例えば、ディ スプレイ設定を見ても、高画質モード(X-Reality)や手ぶくろモード、ホワイトバランス、スマートバックライトや、音設定には DSEEHX、ClearAudio+といったAudio設定も、電池設定にはSTAMINAモードもPOBOXもなく。
今のところは素の「Android N」状態。
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基本的には大きく変わってないように見える「Android N」だけど、ド派手に変わった新機能が「マルチウインドウ」。
右下の□ボタンをタップすると、複数起動したアプリの一覧が表示されて、その中から1つアプリを選んで画面の端のエリアにドラッグすると、画面分割したモードに切り替わる。
そうすると、画面の半分でアプリを使いつつ履歴を見るとか、半分半分にアプリを開いて使うといったことができるようになる。
※DP2からDp3へとアップデートして、マルチウインドウの操作の安定性がよくなった様子。
DP2では真ん中の境界線を動かしてサイズを変えることが出来ていたけれど、DP3では基本中央からの2分割に変更。境界線をどちらかへドラッグすると1つのアプリだけを全画面で開いたりもできる。
これさえあれば、動画を見ながらTwitterといった使い方がかなり捗りそう。
ただし、マルチウインドウに非対応アプリもある様子(例:カメラアプリ)で、これも利用できない場合もインフォメーション表示してくれるのでわかりやすい。
今まではマルチウインドウができないのがAndroidの不便なところだったのでこれは便利になるかもしれない。
ちなみに、今まで大活躍してくれた「スモールアプリ」もなくなっているのだけど、開発段階だから他の機能同様にまだ導入されていないのか、それともマルチウインドウ導入でなくなってしまうのか、それは今のところは不明。
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Xperia Z3に導入された「Android N」のDeveloper Preview版は、素のOS状態でSONYの独自アプリはほぼないといって良いのだけれど、唯一カメラアプリだけはAndroid 6.0(Marshmallow)よりも以前にXperiaに入っていたものと同じUI。
カメラ内アプリは、標準の「プレミアムおまかせオート」と「マニュアル」のみが入っていて、他のカメラ内アプリは追加でダウンロードして使うこともできそうだった。
細かな設定も純正カメラアプリと同じで、シーンセレクション(SCN)も、手ぶれ補正やHDR、タッチ撮影も使えるのはそのまま。
ここだけでも残っていてくれると、開発版とはいえXperiaのアイデンティティが残っててちょっぴり嬉しい。
挙動に関しても、稀にひっかかたりする事もあるけれど、ほぼ安定していて、中身がスカスカというのもあるけど思ったよりもかなりサクサク動いててなかなか良さげ。
Googleの予定では、あと2回のアップデートをして「Developer Preview 5」が最終バージョンで、その後、早いモデルでは2016年第3四半期には正式版がリリースされているらしい。
あとはコードネームの名前が何になるのかもちょっとした楽しみということで。
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●オマケ
週刊アスキー No.1077(2016年5月10日発行)の『週間リスキー通信』に「ソニー好きヒトバシラーが、Xperia Z3にAndroid Nを入れてみた」というネタで掲載いただきましたw
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