ボケ味が主役になるSTFレンズとG Masterレンズが融合したFE 100mm F2.8 STF GM OSS「SEL100F28GM」、外観レビュー。
解像感とボケ味を極めるG Masterレンズの4番目のフルサイズEマウントレンズとしてラインナップしたFE 100mm F2.8 STF GM OSS「SEL100F28GM」。
Aマウントレンズにしか存在しなかったSTF(Smooth Trans Focus)レンズがついにEマウントにも登場。
いや、危うかった…もう少しで「SAL135F28」を買いそうな一歩手前まで行っていたところに絶妙のタイミングで発表されたから、だったらもう「SEL100F28GM」を買うでしょうよ!
という事で、羨ましくもあり憧れでもあったSTFレンズをEマウントカメラで使う事にしよう。
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●G Masterレンズ、FE 100mm F2.8 STF GM OSS「SEL100F28GM」”うんちく”
FE 100mm F2.8 STF GM OSS「SEL100F28GM」
メーカー希望小売価格:188,000円(税別)
ソニーストア販売価格:172,500円(税別)
レンズ構成:10群13枚(APDエレメント含まず)
最短撮影距離:0.85m(マクロ切り換えリング0.85m-∞時)、0.57m(マクロ切り換えリング0.57m-1.0m時)
最大撮影倍率:0.14倍(マクロ切り換えリング0.85m-∞時)、0.25 倍(マクロ切り換えリング0.57m-1.0m時)
焦点距離イメージ:100mm / 150mm(APS-Cサイズ時)
フィルター径:φ72mm
大きさ:最大径φ85.2mm、全長118.1mm
質量:約700g
「SEL100F28GM」は、ナノARコーティング、ED(特殊低分散)ガラス、非球面レンズを採用して、解像度となめらかなぼけ味を両立させたG Masterレンズの称号と、「アポダイゼーション(APD)光学エレメント」と11枚にもなる円形絞りからくるなめらかなボケを極めたSTFレンズの称号の融合。
G Masterレンズイコール激高だと脳内インプットされているだけに、価格を見た時、あれ?予想してたよりも安いじゃないと思ってしまうあたりからすっかり感覚を麻痺させられてる気がする(;゚∀゚)=3
「SEL100F28GM」のキモとなる”アポダイゼーション(以下APD)光学エレメント”は、レンズの周辺にいくほど通る光の量(透過光量)が少なくなる特殊効果フィルターのこと。
CP+2017のソニーブースでも”APD光学エレメント”自体が展示されていて、覗きこむと真ん中は明るく透き通って見えて周りが暗くなっているように見える。
パッと見にもわかるとおり、このフィルターがレンズ内の絞り機構の近くに配置されると、レンズがそのぶん暗くなるんじゃ?という疑問がよぎる。
というのはその通りで、「SEL100F28GM」の絞りリングには、シンプルにレンズ口径と焦点距離によって決まる[Fナンバー]ではなくて、”APD光学エレメント”を通り透過光量が減少した後のレンズを通って集まる光の明るさとして正確な[Tナンバー]で表記されている。
ここが他のレンズとは違うところ。
実際、開放絞り値ではF2.8なものの、内部で”APD光学エレメント”を通過して光量が減少した後の値としてT5.6という事になっている。
そして実際の11枚絞り羽根との兼ね合いはというと、絞りリングをT5.6にしたときが開放になっていて、”APD光学エレメント”も余すことなく全体を利用した状態になっている。
そして、開放T5.6からだんだん絞っていくと、T8までが”APD光学エレメント”の効果が得られる限界となって、それ以上絞ってしまうとフィルターの外周を絞り羽根が覆い隠してしまい効果がなくなる。
いわゆる普通のレンズとイコールになるので、このレンズの特性を活かそうと思ったら絞りすぎ注意。
「SEL100F28GM」は、レンズ全体に防塵防滴に対応したシーリングに加えて、マウント部にレンズマウントゴムリングを採用。
触るとしっとり柔らかく、カメラボディと連結させた時のウィークポイントにならないように、より防塵防滴性を強化している。
G Masterレンズの単焦点レンズ(FE 85mm F1.4 GM) 「SEL85F14GM」と並べてみる。
FE 100mm F2.8 STF GM OSS「SEL100F28GM」
フィルター径:φ72mm
大きさ:最大径φ85.2mm、全長118.1mm
質量:約700g
単焦点レンズ(FE 85mm F1.4 GM) 「SEL85F14GM」
フィルター径:φ77mm
大きさ:最大径φ89.5mm、全長107.5mm
質量:約820g
全長は「SEL100F28GM」が長いものの、 「SEL85F14GM」はレンズの幅が太くてヘビー級な重さだという認識があったので、それに比べると一回り分小さく思えることと、重さも比較的軽く思える。
レンズフードの作りは円柱タイプで 「SEL85F14GM」とほぼ同じく、前部分がラバー素材になっていて、より望遠となる「SEL100F28GM」の全長が長い。
ちなみに、 「SEL85F14GM」にあった不意なレンズフードが外れてしまうのを防ぐフードロックスイッチは、「SEL100F28GM」には付いていない。
レンズのフィルター径は72mmで、プロテクターを装着する場合、SONY純正であれば、「VF-72MPAM」が適合する。
さて、「SEL100F28GM」をα7RⅡに装着してみよう。
確かにレンズ自身大きいけれど、巨大かつ重量級のG Masterレンズでは一番軽いレンズなので、凄く取り回しが楽に思えてしまうほど。
もはやα7RⅡ+G Masterレンズでは当たり前の事だけれど、当然のごとく光学式手ブレ補正も効いて、コントラストAF(オートフォーカス)と像面位相検出AFの両方の恩恵に預かれる事がなんとありがたいことか。
AマウントのSTFレンズ「SAL135F28」を使った時、MF(マニュアルフォーカス)しかなくて、早い動きの被写体をまず撮ることがまず難しくてとても苦労した事があるだけに余計にそう思ってしまう。
「SEL100F28GM」のフォーカス駆動は、圧電素子の超音波伸縮運動を利用してフォーカスレンズを駆動する「ダイレクトドライブSSM(DDSSM)」なので、静かなうえに高速・高精度にビシっとピントがあうのが物凄く心地良い。
左手をレンズにそえた撮影スタイルからホールドしたままでAF時にピント位置を固定できる「フォーカスホールドボタン」に、設定から機能(例えば瞳AFなど)を割り当てて使うと、もう人物撮りに至っては最高に楽ちん。
そこからさらに追い込みたい時は、AF/MFスイッチからサッとMFに切り替えてマニュアルリングで調整したりと、操作に気をとられず撮影に集中できて使い勝手はイイ。
また、レンズリングに「マクロ域切り換え機能」もあって、マクロ域にすると、最短撮影距離0.57m、最大撮影倍率0.25倍の近接撮影ができる。
「SEL100F28GM」は、中望遠レンズとして使いつつ、望遠マクロとして花を撮ったり草木にとまる鳥や虫を撮ったりもできて、1本で2度オイシイ。
「SEL100F28GM」には、立派なソフトキャリングケースが付属。
芯のあるしっかりしたスクウェア状のケースで、ショルダーベルトと間仕切りが付属。
内側は柔らかい素材でレンズをしっかり守りつつ、使いたいときにはダブルジッパーでサッと開け閉めできるタイプ。
複数レンズを持ち出すときにはちょうどいいケースなので重宝しそう。
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撮影日 : 2017/3/24
カメラ : SONY ILCE-7RM2
レンズ : 「SEL100F28GM」 焦点距離:100mm
シャッター速度:1/160 絞り値:F5.6 露出補正:+0.7EV ISO:100 ホワイトバランス:自動
発売予定が4月だったので、今年の桜の季節には間に合わないかと思っていたらまさかの3月に前倒ししての発売!
いやー素直に嬉しい。
たくさん増えてきたレンズたちで十分満足できるはずなのに、やっぱり点光源の口径食や2線ボケのザワザワした背景が気になったりし始めるともうそこが気になって仕方なくなってくると、ふんわりとしたボケ感を堪能できることに特化した「SEL100F28GM」があってもいいじゃないかと。
しかも、AマウントのSTFレンズ「SAL135F28」のMFオンリーの苦労を知っていただけに、AFが精度高く決まると全然撮りやすさが違ってくる。特にうろちょろする子供撮りには。
てことで、STFレンズという特性が楽しめるレンズだし、他のレンズとの違いも比べつつこれからいろいろ撮ってみよう。
・「CP+2017」ソニーブースレポート(その1)。トロトロのボケ味と最新機能が合体したFE 100mm F2.8 STF GM OSS「SEL100F28GM」
・「CP+2017」ソニーブースレポート(その2)。軽くて小さい機動性とAFも速くて扱いやすいFE 85mm F1.8 「SEL85F18」
・「CP+2017」ソニーブースレポート(その3)。動画撮影に特化したE PZ 18-110mm F4 G OSS 「SELP18110G」
・「CP+2017」ソニーブースレポート(その4)。フラッシュを使ったプロのスタジオライティングを体験。
・「CP+2017」ソニーブースレポート(その5)。スピード撮影や暗所撮影といったαの性能を試せる撮影コーナーと充実しつつあるαのサポート。
・ぼけ味が最高になめらかなSTFレンズ「SEL100F28GM」、AFや手ブレ補正、マクロ切替を備える便利さと「G Masterレンズ」のクオリティをあわせもって登場。
・コンパクトで取り回しのしやすい大口径中望遠単焦点レンズ FE 85mm F1.8 「SEL85F18」が登場。
・スーパー35mm/APS-Cフォーマットで4K動画撮影に特化した電動ズームレンズ E PZ 18-110mm F4 G OSS 「SELP18110G」。
・「HVL-F43M」よりもコンパクトに光量アップした、電波式ワイヤレス通信対応 外付けフラッシュ「HVL-F45RM」。
・デジタル一眼カメラ α99IIと縦位置グリップに、レリーズのストロークを調整する有料のカスタマイズサービスを3月2日(木)から開始。
・これからカメラを初める人やより高みを目指す人へ、プロから学べるカメラスクール「α Academy(αアカデミー)」を4月から開講。
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●FE 100mm F2.8 STF GM OSS「SEL100F28GM」
FE 100mm F2.8 STF GM OSS「SEL100F28GM」
メーカー希望小売価格:188,000円(税別)
ソニーストア販売価格:172,500円(税別)
『αあんしんプログラム』
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●72mm径に対応するアクセサリー
MCプロテクター「VF-72MPAM」
希望小売価格8,400円+税
ソニーストア販売価格:7,880円(税別)
円偏光フィルター「VF-72CPAM」
希望小売価格16,800円+税
ソニーストア販売価格:15,880円(税別)
レンズフロントキャップ「ALC-F72S」
希望小売価格1,200円+税
ソニーストア販売価格:1,130円(税別)
・35mmフルサイズミラーレス一眼カメラ「α7RⅡ」を、ソニーストア大阪で触ってきたレビュー。
・35mmフルサイズミラーレス一眼カメラ「α7RⅡ」、外観レビュー。
・ついに来たよ35mmフルサイズのコンパクトデジタル一眼Eマウント”α7”!
・やたらウキウキで、初めてα7/α7Rを持って撮影してきた!
・α7を持って、横須賀港に撮影に行ってみた。
・α7にマウントアダプター+望遠レンズで、呉港に撮影に行ってみた。
・かなり楽しみに待ってた「SEL55F18Z」が来たからα7他で撮ってきてみた。
・α7で、1/1ガンダムとストライクフリーダムを狙い撃つっ( ゚д゚ )!!!
・α7にあるとかなり重宝するカールツァイスレンズ「SEL2470Z」。
・Eマウント待望のフルサイズ対応望遠ズームレンズ「SEL70200G」を使ってみよう!
・ダイナミックな広角からスナップまでを1本でこなせるフルサイズEマウントレンズ 「SEL1635Z」を使ってみよう。
・広角24mmから望遠240mm(APS-C360mm)までカバーする高倍率ズームレンズ 「SEL24240」を使ってみよう。
・2015年8月8日(土)、福岡天神を歩きながらデジタル一眼カメラ”α7RⅡ”を初めて使ってみた。
・9月19日(土)、ソニークラスタのみんなで撮影会に行ってきたよ。(横田基地友好祭2015 編)
・9月19日(土)、ソニークラスタのみんなで撮影会に行ってきたよ。(国営昭和記念公園 編)
・9月19日(土)、ソニークラスタのみんなで撮影会に行ってきたよ。(銀座~築地、夜散歩 編)
・9月20日(日)、強行突破で「東京ゲームショウ 2015」に行ってきたよ!
・9月20日(日)、ソニークラスタのみんなで撮影会に行ってきたよ。(伊丹空港千里堤防 編)
・2015年10月15日(木)、「平成27年度自衛隊観艦式」の事前公開(体験航海)に行ってきたよ。
・フルサイズと明るいレンズの組み合わせで背景ボケを楽しめる、単焦点レンズ(FE 50mm F1.8) 「SEL50F18F」
・”αシリーズ”Eマウントカメラの性能を出しきれる待望の望遠ズーム(FE 70-300mm F4.5-5.6 G OSS)「SEL70300G」。
・キリっとした解像感とふんわりとろけるボケの柔らかさがキモチイイ! FE 85mm F1.4 GM『SEL85F14GM』と格闘しながら1ヶ月ちょっと使い続けてみた。
・さーさーの葉ーさーらさらー♪の七夕飾りを撮影散歩。(α7RⅡ+SEL85F14GM)
・ビシっと決まる解像感と描写力、ポートレートからスナップまでが1本で撮りやすい、単焦点レンズ Planar T* FE 50mm F1.4 ZA 「SEL50F14Z」。
・ソニークラスタのみんなで、熊本(大観峰・黒川温泉)に行ってきたよ。
・24mmから70mmまで変化できる焦点距離で、どれだけの絵が撮れるか楽しみなレンズ「SEL2470GM」